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就労移行支援のメリット・デメリット。1年4ヵ月通った私がリアル解説

2023.11.02

就労移行支援に興味があるけれど・・・

・SNSで就労移行支援は意味がないって聞いたけど本当?
・社会人経験が少ないけれど、本当に就職できるの?

と、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、1年4ヶ月間就労移行支援を利用していた私が感じた就労移行支援のメリット・デメリットを紹介したいと思います。

就労移行支援を利用したいと考えている方や就労移行支援のメリットがいまいち分からない方など、ぜひ参考にしてくださいね。

私のプロフィール

まず私の就労移行支援を利用した流れを簡単に紹介しますね。

私は社会人になり、就職をきっかけに体調を崩し、心療内科に行ったところ、発達障害の診断を受けました。

通院して1年ほど経ったときに、病院から就労移行支援を紹介してもらい、利用をスタートしました。

正直就労移行支援という制度を知った時は、「就労移行支援を利用して働けるの?」「無職期間があるのに、大丈夫かな」という不安でいっぱいでした。

しかもSNSで「就労移行支援」と調べると、「就労移行支援 意味ない」「就労移行支援に通うのは無駄」とマイナスなことが目に入り、さらに疑う気持ちが強くなりました。

また就労移行支援のホームページでは「コミュニケーションスキルが向上する」「就職累計人数〇〇〇人以上!」などと、綺麗ごとしか書いていないサイトばかり・・・

私が知りたいのは、「リアルに体験した人の意見」で「就労移行支援を運営している人の目線ではなく、実際に利用している人の視点である」とその時、感じました。

だからこそ1年4か月実際に利用した経験者(私)の目線から就労移行支援のメリット・デメリットを伝えたいと思い、この記事を書きました。

結論からいうと、「通う前と通った後とでは就労移行支援に対するイメージがだいぶ変わり、私は就労移行支援を利用して良かった」と感じています。

以前の私のように「就労移行支援って実際にどうなの?」と不安を感じている方々の助けになれば、嬉しいです。

前置きが長くなりましたが、本題に入っていきましょう~

そもそも就労移行支援って?

就労移行支援とは、「一般就労を希望する障がいを持つ方が、就職活動で必要なスキルを身につけ、就職活動・就職後の定着までのサポートを受けることができる制度」です!

65歳未満の企業へ就職を希望する障がいを持っている方であれば、誰でも利用することができます。

就労移行支援に通うメリット

就労移行支援に通うメリットは5つあります。

・体調や生活リズムが整う

・人に合わせた幅広いスキルの習得が可能

・障がいに理解がある支援員のサポートが受けられる

・就職活動をスムーズに行うことができる

・就職後にも長期的な安定を目指した定着サポートを利用できる

5つのメリットの詳しい内容をご紹介します。

体調や生活リズムが整う


女性・20代

すぐに週5日の訓練は無理そうなんですけれど、大丈夫でしょうか?


支援員

大丈夫ですよ!支援員と相談しながら、自分のペースで訓練日数を増やしていけます。

朝の決められた時間から訓練が始まるため、生活リズムが自然と整って、規則正しい生活ができるようになります。

生活リズムを整えることがなぜ大切かというと、会社が採用をする時に「体調が安定しているか」を一番みているからです。

会社は長く働いてもらいたい、つまり体調が安定していて、体調不良になったとしても報告・管理ができる人を採用したいのです。

就労移行支援でしっかりと休むことなく訓練を行ってきたという実績は、就職活動で大きなアピールポイントになります!

私もすぐに週5日の訓練は難しいと感じていたので、心配しなくて大丈夫ですよ。

私の場合は、週2日の訓練から始め、約半年かけて週5日の訓練ができるようになりました。

最近ではコロナの影響で通勤だけではなく、テレワークが増えたので、会社の外で働く練習として、在宅訓練ができる場合があります。

ぜひ気になる事業所に相談してみてくださいね。

個人に合わせた幅広いスキルの習得が可能


女性・30代

本当に自分にあったスキルがを見つけることはできますか?


支援員

はい!事業所によって特化している訓練が違うので、事業所のホームページを見たり、問い合わせをして、聞いてみるのもおすすめです。

仕事で必要になる様々なスキルを学ぶことができます。

実際に学んでいく中で、「デザインに興味があったのに、実はルーチン作業が少なく、苦手だった」などと自分の得意や苦手を知る機会にもなるので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

事業所によって、事務作業関連に特化していたり、IT・プログラミングに特化していたりと訓練内容が大きく違います!

例えば、「場所にとらわれず、自由に働きたい」のであれば、事務作業よりIT・プログラミングに特化した事業所の方が、場所に関係なく仕事ができる可能性が高くなりますよね。

自分は何に興味があるのか、それに合った訓練ができる事業所はどこなのかを問い合わせみてください。

「自分が興味があるものが分からない」という方もいると思います。

その場合は、幅広い訓練ができる事業所にして、選択できる幅を広げるのもおすすめです。

障がいに理解がある支援員のサポートが受けられる


男性・20代

今日は眠気があり、頭痛がします・・・。


女性・20代

友達と話した時にきつく当たってしまい、どのように謝ればいいのか分からないんです。

就職活動のことだけではなく、体調のことや生活のこと等、日常の小さな悩み事までを相談することができます。

人と話すことが苦手な人には、チャットツールを使ってコミュニケーションをとるという配慮が可能です。

そのほかにも物音・人の気配に敏感なので、席を人通りが少ない位置にしてもらいたいなど、個人の特性に合わせた配慮をしてもらえるので、相談してみましょう!

ただ事業所によって配慮できるレベルが違うので、問い合わせする時に聞いてみるのも良いですね。

就職活動をスムーズに行うことができる


女性・30代

自分にあった仕事が分かりません・・・


支援員

個人の特性に合わせた職種を支援員と一緒に考えて、見つけていきましょう!

就労移行支援では、履歴書や志望動機の添削・面接の練習等、就職活動で必要な一通りのサポートがあります。

さらに「ルーチンワークが得意」「曖昧なことより正確なことの方が好き」等といった個人の特性に合わせた職種を支援員と一緒に考え、得意にあった仕事を見つけることができます。

そのほかにも、あなたが探した求人に対して「残業時間」「業務内容のハードル」等、長く働き続けるために考えておくべきポイントを確認することも一緒に行ってくれるので、求人票の見方に自信がないという方も安心してくださいね!

さらに事業所によっては求人や実習先を紹介してもらえ、職場体験ができる場合があります。

職場体験をすることで「多くの人が行き来する環境より静かな環境が良い」「苦手だと思っていたデータ入力の作業は実際は他の人に比べて得意だった」と知ることができる機会なので、ぜひ事業所に問い合わせてみてくださいね!

「就職活動のサポートであれば、ハローワークでもいいのでは?」と考える方もいるでしょう。

就労移行支援で訓練を受けてから、就職活動をすると、企業から適切なトレーニングや支援を受けているとポジティブに受け取られ、企業はプラスの印象を持つことになります。

就職後にも長期的な安定を目指した定着サポートを利用できる


男性・30代

本当に働き続けられるか不安です・・・


支援員

就職から6か月は定着支援があるので、就労移行支援の利用が終わっても、長く働けるようにサポートします!

就職後6か月は長く仕事を続けられるように、「定着サポート」という自分と会社の関係が上手くようにするための支援を利用できます。

事業所によって異なりますが、月1回・職場の上司と支援員と3人での面談があり、「仕事量が少ないので、増やしてほしい」「お願いした配慮がされていない」等といった相談ができます。

上司には直接自分で言えないことを支援員に伝えてもらえたりと、会社とお互いの理解を深めるための架け橋を支援員がしてくれるというイメージです。

またこの際にも、仕事のことだけではなく、「最近、疲れが取れづらい」等といった生活の相談もできるので、不安に感じたことは遠慮なく伝えてみましょう!

就労移行支援に通うデメリット

就労移行支援に通うデメリットは6つです。
・収入がない

・ 利用期間が決まっている

・利用料金がかかる場合がある

・すぐに利用ができない

・今すぐ就職活動はできない

・自由度が制限される

6つのデメリットの詳しい内容を紹介します。

収入がない


女性・30代

就労移行支援に通っても、お金はもらえないんですよね?


支援員

残念ながら収入は発生しません・・・
給付金を考えてみるのも、1つの方法ですよ。

就労移行支援の1番のデメリットは「収入がない」ということです。

就労移行支援に利用する条件は、現時点で労働が難しいとしている人と決められています。

そのため、収入が発生することは基本的に行ってはいけません。

ですが自治体によっては、年間50万以下の収入であれば許可されていて、アルバイトができることがあります。

事業所に「自分が住んでいる自治体では年間50万以下であれば、アルバイトをすることはできるのか」と問い合わせてみることをおすすめします!

そうは言っても、「年間50万以下でどうやって生活すればいいの?」と悩む方も多いですよね。

事業所までの交通費や食事代などのお金をもらうことはできないので、出費が増えるばかり・・・生活ができるか不安が出てくると思います。

そんな方が利用できる給付金と問い合わせ先を4つご紹介いたします。
・失業保険・雇用保険(失業手当)

・障害者基礎年金

・障害者厚生年金

・生活保護


失業保険・雇用保険(失業手当)は、住んでいる地域のハローワークに相談をし、「自分は条件に当てはまっているのか」「受け取ることができる期間や金額はいくらか」を聞いてみましょう。
全国ハローワーク検索(厚生労働省)

障害者基礎年金・障害者厚生年金は、住んでいる地域の年金事務所・街角の年金相談センターまたは住んでいる地域の区役所の保険年金課で「自分は障害者基礎年金・障害者厚生年金、どちらに当てはまるのか」等を聞くことができます。
全国の年金事務所・相談窓口(日本年金機構)

ねんきんダイヤル(0570-05-1165)からの電話相談も可能ですが、回線が混みあっている場合があります・・・

すぐに聞きたい場合は、直接年金事務所・街角の年金相談センターまたは住んでいる地域の区役所の保険年金課に行くことをおすすめします!

生活保護は、住んでいる地域の福祉センターや区の生活支援課などで相談することができます。

自分はどこに問い合わせしたら良いか分からない場合は、こちらのリンクを参考にしてみてくださいね。
全国の相談窓口一覧(生活困窮者自立支援全国ネットワーク)

利用期間が決まっている


女性・20代

続けられるか、自信がありません。


支援員

利用期間の合計が最大2年なので、お休みすることも可能です。
2年に達してないのであれば、再び始めることもできますよ。

利用期間は最大2年間と決まっています。

「1年間就労移行支援を利用したけど、体調が悪化してしまった」「やはり自分に合わなかった」など、自分の都合で就労移行支援の利用をやめることは可能です。

ただ自治体によっては、再び利用することができない場合があるので、「自分の住んでいる自治体では、1度就労移行支援を利用してしまったら、もう利用できないのか」「合計2年の中であれば、数回利用できるのか」を事業所に問い合わせしてみてくださいね。

「なぜ2年という期間が決まっているの?絶対2年で就職できるわけない・・・」そんな方もいるでしょう。

就労移行支援は「就職活動に意欲がある人を対象とする制度」のため、2年という期間の制限があるのです。

私もブランクがあり、本当に2年間で就職なんてできるのかと感じていた一人でした。

ですが、支援員の方に「見通しを立てることが苦手なこと」や「失敗に大きな不安を感じてしまうこと」を相談していく中で、順位付けをし、優先順位を決めて、不安を感じたらすぐに報告をすることを心がけた結果、1年4か月をかけ、無事に就職することができました。

利用料金がかかる場合がある


男性・30代

利用料金がかかるって本当ですか?


支援員

利用料金がかかる人とかからない人がいます。

利用料金がかかる場合がありますので、自分はどれに当てはまるかを確認してみましょう。

無料で利用できる人の条件は3つです。
どれか一つに当てはまると、基本的には利用料金はかかりません。
・生活保護を受け取っている

・結婚しておらず、昨年1年間働いていなかった

・結婚しておらず、昨年1年間働いている期間はあるが、収入が約100万円に満たなかった


利用料金が発生する条件は2つあります。
・今年の途中で退職したが、前年はフルタイムで働いた

・昨年1年間は働いていなかったが、結婚相手がおり、収入がある


結婚相手の年収が約600万以下の場合は、月上限9,300円。

結婚相手の年収が約600万以上の場合は、月上限37,200円かかります。

あなたは就労移行支援の利用料金が発生する?

ケース1:独身で昨年1年間は働くことができず、現在は生活保護を受けている。

昨年1年間働いておらず、生活保護を受けているため、就労移行支援を無料で利用することができます。

ケース2:既婚者で今年の途中で退職をし、昨年1年間は、フルタイム勤務で年収は500万円だった。結婚相手も働いている。

昨年1年間はフルタイムで働いていたので、利用料金が発生します。

結婚相手の収入によって、利用料金が変わります。

ケース3:独身で家族と同居している。週1回のアルバイトをしており、昨年1年間の収入は約100万円以下である。

家族とは同居していますが、結婚はしていないため、利用料金は発生しません。

また昨年1年間の収入は約100万円を満たしていないことからも、無料で就労移行支援を利用できます。

利用料金は自分や結婚相手の収入によって違うので、ぜひ事業所に問い合わせをし、確認してみてくださいね。

すぐに利用ができない


男性・20代

すぐに利用したいのですが・・・


支援員

残念ながら、今すぐに利用することは難しいです><
自治体に申請をするので、利用まで約1か月はかかります。

利用を決めてから、すぐに訓練に参加できるわけではありません・・・

事業所で現在の症状や薬の服用、これからどのように訓練をしていくかを話し合い、契約書の記入等を行います。

そして自治体に行き、利用の申請や障がいや現在の症状についてヒアリングを受け、就労移行支援を利用の許可が降りると利用がスタートできます。

自治体や自分の現在の状況(すでに障害者手帳は持っているか・通院をしているか等)によって、利用までのスピードが異なります。

目安として約1週間~1か月は、利用まで時間がかかると考えておいた方が良さそうです。

今すぐ就職活動はできない


女性・20代

すぐに就職活動してもいいんですか?


支援員

決まった期間は訓練に参加しないといけません。
訓練に慣れてきてから、就職活動をスタートすることができます。

決まった期間(最低3か月~6か月)は就労移行支援に通い、相談や報告の伝え方・パソコン業務等の仕事で必要なスキルを積んでから、就職活動を行うので、今すぐ就職活動をしたいという人には向いていません。

「今すぐ就職したいけれど、就職活動を一人でする自信がない」という方もいるでしょう。

「事業所に通っている人はどのくらいの期間をかけて就職をするのか」「できるだけ早く就職をしたい場合、就労移行支援でどんなことを行う方が良いのか」等、一度事業所に就職をできるだけ早くしたいということと今の状況を伝えて、相談してみるのもおすすめです!

自由度が制限される


男性・20代

休んではいけないんですか?


支援員

体調不良や通院などでお休みする時は連絡をしてください。
相談・報告は会社で必要になるので、練習をしましょう。

自由度が制限されると言っても、「必ずスーツを着て、通わなければいけない」「体調不良でも、休んではいけない」等という厳しいルールなどで自分の行動を全て制限されるわけではないので、あまり心配しないでくださいね。

仕事をする時に必要な基本的なことを学ぶので、今までの過ごし方とは少し変わるはずです。

1年4か月通って感じたメリット・デメリット

これまでは、就労移行支援の制度によって感じたメリット・デメリットを紹介しました。

次は、1年4か月通った私が経験して感じたメリット・デメリットを紹介します!

結論としては、就労移行支援に通って、自分と向き合うことができ、本当に良かったと思います。

1年4か月通って感じたメリット

私が1年4か月、就労移行支援に通って感じた2つのメリットを紹介します。
【私が感じたメリット】
・自分の障害と向き合い、強みや弱みを知ることができる

・ビジネスで必要なコミュニケーション力を身につけられる

自分の障害と向き合い、強みや弱みを知ることができる


女性・20代

なぜ就職活動では自己分析が大切だと言われているんですか?
必要性がわかりません><

まず、なぜ就職活動では自己分析が大切だと言われるのでしょうか?

理由は2点あります。
①自分の心地よい働き方は何か・働く上で何を重要視しているかを知るため
②自分がどんな人であるか(どんな強みを持っていて、業務で活かすことができるのか等)を面接官など他の人に紹介し、自分をよく知ってもらうため

ですが「自分の強みなんてない・・・」「性格検査は色々やってみたけど、結局自分がよくわからない」と思っている方も多いですよね。

私もその一人で、「私よりすごい人なんて沢山いる」「ネットにある性格検査はいっぱいやったけど、しっくりこない」と感じていました。

就労移行支援では、支援員との週1回の面談があり、その中で不安なことや訓練したことの感想・日常生活での出来事や悩みなど、たくさんのことを話しました。

支援員から「学ぶことが好きなんですね」「一緒に優先順位を立ててみましょうか」と話をしてもらう中で、「実は私ってとことん調べるのが好きなんだな」「自分はやるべきことがいっぱいあると、頭が真っ白になってしまう」ということに気づきました。

就労移行支援に通ったからこそ、就職活動でもしっかりと「自分の強みは目標に向かって諦めずに成し遂げる力である」ということや「不安が強いので、相談の時間を設けてほしい」という配慮事項を具体的に会社に伝えることができました。

ビジネスで必要なコミュニケーション力を身につけられる


男性・30代

人とコミュニケーションすることが、苦手です・・・

コミュニケーション力というと、あなたはどんなコミュニケーション力を思い浮かべるでしょうか。

・初対面の人とすぐに仲良くなれること
・面白いトークができ、友達が多い人のこと
・人の話を聞き、しっかりと対応できること 等

コミュニケーション力の意味は幅広く、就労移行支援で必要だと考えられているコミュニケーション力は主に2つだと思います。

・不安や疑問点があれば、すぐに報告・相談ができるか
・人の話を聞き、合った行動がとれるか

様々な人と仲良くする力などといったレベルの高いコミュニケーション力を求めているわけではなく、会社に入って、社員とコミュニケーションをとるときに必要な基本的なスキルを身につけると考えてくださいね。

特に私の場合だと、訓練に通う前は「他人ばかりを気にしてしまい、自分の意見を主張することが苦手」でした。

訓練では、「手に職をつけた方がいいのではないかと焦っている」という自分の意見を報告し、それに対して支援員は否定することなく、「今の現状と手に職をつけるとしたら、どんなメリット・デメリットがあるかを分けましょうか」としっかりと自分の意見を受け止めてくれ、より良くするためのアドバイスをもらうことができました。

この経験から、自分の意見を主張することは悪いことではないことを学ぶことができ、自信がつきました。

1年4か月通って感じたデメリット

私が1年4か月、就労移行支援に通って感じた3つのデメリットを紹介します。

【私が感じたデメリット】
・思っていた訓練と違う場合がある

・ストレスを感じてしまう場面に遭遇する

・事業所によって紹介できる求人が異なる

思っていた訓練と違う場合がある

事前に体験をしたとしても、100パーセント理想的な訓練ができたかといわれると、考えていたこととは少し異なる部分がありました。

特に私の場合は、学んだことを活かす時間が少なかったと感じています。

例えばExcelの訓練では、基礎的な操作は事業所独自の動画やネットで調べれば、身に着けることができます。

しかし、実際の業務の中でどんな資料作りをするのか、どんなことを求められているのかを勉強し、自分で実務に似た資料を作る時間は、圧倒的に少なかったです。

そのため、未経験な私でもしっかりと資料作成ができるのか、求められているレベルに達成できるのかという不安は常にありました。

逆に実務経験があったり、すでにWordやExcelなどのパソコンツールの操作を知っていて、どのように実務に活かすかを知りたいと考える人は、物足りないと感じてしまうと思います・・・

事業所によっては、実務に似た形で練習できるドリル等を準備していることもあるので、ぜひ問い合わせしてみてくださいね!

ストレスを感じてしまう場面に遭遇する

事業所の環境によって、音や人の視線への緊張感でストレスになってしまうことがあります。

「音が気になってしまうので、耳栓をしたい」「人の動きが気になってしまうので、出入口に近くない席にしてほしい」等の配慮はしてくれます。

ですが、事業所の部屋の大きさや周りの環境によっては、「隣の席の人との距離が近い」「電車や車の騒音がうるさい」等、配慮がどうしても難しい部分があるので、しっかりと見学の際にチェックをしておきましょう。

また障害について、踏み入って聞かれたくないことを言われたり、努力をしているのになかなか分かってもらえない等、支援員との関係でストレスを感じる場合があります。
私の場合は納得できないアドバイスで更にモヤモヤが生まれてしまったことが起こりました。

支援員に「ノイズキャンセリングのイヤホンをして、周りの音を気にしないようにしていても、外出をすると緊張してしまう。すぐに疲れてしまい、勉強したいことはあるのに、体がついていかない」という相談をしました。

支援員は「運動をしましょう!最近ランニングにはまってから、体力がついて、通勤できるようになった利用者さんがいます。」と言いました。

「言いたいことは分かるけれど、無意識に体が緊張してしまうのに、運動で体力がついたからと言って変わらないのでは・・・」とさらに解決法が分からなくなってしまいました。

このことに関しては他の支援員にも相談し、「何に緊張してしまうのか、それに対して一つずつ慣れていく」ということに切り替えました。

このように支援員との相性によって、ストレスを感じてしまうことはあるので、その時は遠慮なく、他の支援員に相談してくださいね。

支援員に迷惑がかかる、気まずくなってしまう等は考えずに、自分が一番訓練を続けやすい環境を作りましょう!

事業所によって紹介できる求人が異なる

事業所によって紹介できる求人数や種類は大きく違います!

就労移行支援を利用するのは「やりたいことへのスキルを身につけることが目的なのか」「社会復帰の第一歩として訓練を続けることが目的なのか」等、自分は何を一番に優先して通うかを考え、事業所を選ぶ必要があります。

私の場合は、「やりたいことへのスキルを身につけること」が一番の目的だったので、やりたい仕事のスキルを学ぶことができる事業所を選びました。

実際にその事業所で訓練をし、就職活動をしてみると、自分の希望と合っていて、紹介してもらうことができた求人は3,4社ほどで想像以上に少なかったです・・・

さらに未経験職種に就きたい場合は、自分が希望する仕事に携わることはとても難しいです。

就労移行支援は志望理由の添削や面接の練習として利用し、別で就職エージェントに登録をしたり、ハローワークで自分で調べて、会社に申し込みをしていました。

他の事業所にしていれば、大手企業と繋がりが強く、もっと簡単に就職活動ができたかもしれないと思うこともありました。

「職種は関係ない。とにかく大手企業で就職したい!」という方は特にどんな企業と繋がりがあるか、紹介求人の数を事業所に問い合わせすることをおすすめします!

まとめ

1年4か月、実際に就労移行支援に通った私が感じたメリット・デメリットについて紹介しました。

【就労移行支援に向いている人】
・健康状態が安定している

・少しずつ就職活動に向けた準備を始めて、2年以内に就職をしたい

・スキルを身につけたり、新しいことを学ぶ意欲がある

・自分の障害や特性について理解したいという気持ちがある

・コミュニケーションを取ることに抵抗がない(もしくは配慮があれば挑戦したい)


【就労移行支援に向いていない人】
・健康状態や生活環境が安定していない

・すぐに就職をしたい

・就職に対する意欲やモチベーションが低い

・支援員との報告・相談等、コミュニケーションを取ることに抵抗がある


就労移行支援は社会復帰をするチャンスを与えてくれる制度ですが、生活環境が安定しており、病院など助けてくれる機関との繋がりがなければ、利用は難しく感じてしまいますよね。

私は「自分の意見や体調などを伝えられるようになったこと」や「強みや弱みを知り、自分と向き合う時間を作ることができたこと」など、就労移行支援の利用は、人生のターニングポイントになったと思っています。

この記事を読んで、「通ってみたい!」と感じた人、「自分は通えるのか」と不安を持った人がいると思います。

まずは就労移行支援の事業所に相談し、今の状況を伝えて、今後の流れを聞いてみるのもおすすめです。

不安や疑問点を遠慮なく伝えて、自分の心地よい環境を見つけてみてくださいね。


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