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うつ病経験者143人に聞いた!恋人にうつ病だと伝えた経験はある?

2024.05.14

恋人にうつ病であると伝えた経験はありますか?

「うつ病と伝えれば、失望されるのではないか・・・」
「付き合っている以上、何かあった時のために伝えた方がいいのではないか」

と悩む方も多いのではないでしょうか。

今回はうつ病・うつ病経験がある方143人を対象に、うつ病を伝えたのか、その時の相手の反応について調査しました。

アンケート概要

調査内容:「うつ病を恋人へ開示したか」に関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年3月21日~2024年4月4日
調査人数:143名(男性44名 女性99名)
年代:10代(0名)・20代(37名)・30代(54名)・40代(34名)・50代(15名)・60代以上(3名)

質問事項
1. 年齢を選択してください。
2. 性別を選択してください。
3. 恋人にうつ病だと伝えたことはありますか?
4. その理由を詳しく教えてください。
5. どのタイミングで伝えましたか?
6. どうやってうつ病であると伝えましたか?
7. 伝えた時の相手の反応を詳しく教えてください。
8. うつ病と伝えた後、関係は変化しましたか?
9. うつ病を伝えた後のエピソードがあれば、教えてください

約75%が恋人にうつ病だと伝えた経験あり!

■恋人にうつ病だと伝えたことはありますか?
・はい 107票(74.8%)
・いいえ 36票(25.2%)
※少数点第2位以下は四捨五入


7割以上が恋人にうつ病であると伝えた経験があることが分かりました。

隠してもいいことですが、なぜ恋人にうつ病と伝えようと思ったのでしょうか?

その理由を紹介します。

伝えた理由


女性・20代

付き合う前に鬱病もしくは双極性障害と診断されていることを伝えないと、後に嫌われてしまうかもしれないと思ったので、先に伝えました。


男性・30代

生活にも色々変化が出てきてしまい、相手に迷惑をかける可能性が非常に大きく、相手といても楽しめない事があると思うので理解してほしいという気持ちがありました。
また、それが重荷になるのであれば、これを機に別れようと思ったからです。


女性・30代

うつ病も含めて、私自身であるから。また、実際付き合うとなると、デートの途中で調子が悪くなるなど何かしら支障が出ると思ったから。

特に多かった理由は「体調に波があり、急なキャンセルをしてしまうなど相手に迷惑をかけることがあるから」ということでした。

その他にも「今後も長くいるために伝えた」「病気を理解してほしかった」という理由もありました。

特に印象的だったのは「うつ病を含めて自分自身である」という言葉です。

「相手が否定的な反応をするかも」と不安を持ってしまいやすいですが、それも1つの自分であると認めることによって、前向きに伝えられるかもしれません。

伝えていない理由


男性・30代

鬱の印象を考えると、ネガティブなことしか浮かばず、付き合いが続かなくなってしまうのではないかと考えたから。


女性・30代

うつ病など精神疾患に対して偏見があるかもと思うと言えませんでした。
全てを理解して欲しいとは思わないが、体調面で少し浮き沈みがあるので無理はできない旨を伝えたらよかったとも思う。


男性・20代

恋人にはメンタルが弱い自分を知られたくなかったし、それを知られると相手が自分のことを見限って捨てられてしまうのではないかという不安があったから。


女性・20代

自分が鬱だという事が受け入れられず、普通に振る舞いたかったから。
また恋人に重いと思われたくなかったから。

1番多かった理由は、「精神疾患に偏見を持っているのではないか」「幻滅されてしまうではないか」といった相手の反応に不安感を抱いていたということでした。

その他にも「相手の負担になってしまう」「責任を相手に押し付けるような罪悪感を感じる」と相手に迷惑をかけるのではないかという考える方もいました。

うつ病は目に見えない障害であり、人によって症状が様々なので、理解されにくい部分があるのかもしれません。

うつ病を絶対に恋人に伝えなければならないといったことはないので、自分の気持ちに従い、伝えるべきかを考えましょう。

半分以上が「付き合ってから」伝えたという結果に

■どのタイミングで伝えましたか?
・付き合う前 30票(21.0%)
・付き合ってから 77票(53.8%)
・伝えていない 36票(25.2%)
※少数点第2位以下は四捨五入


5割以上の方が「付き合ってから」うつ病であるということを伝えたという結果になりました。

「付き合う前」に伝えた方は約2割おり、うつ病と伝えるタイミングは「付き合ってから」の方が多いことが明らかになりました。

「直接」伝えた人が圧倒的に多い!

■どうやってうつ病であると伝えましたか?
・直接 90票(62.9%)
・LINEなどのメッセージ 9票(6.3%)
・電話 7票(4.9%)
・手紙 0票(0.0%)
・その他 1票(0.7%)
・伝えていない 36票(25.2%)
※少数点第2位以下は四捨五入


「直接」うつ病だと伝えたという方は6割以上で、圧倒的に高い割合でした。

そのあとは「LINEなどのメッセージ」「電話」と続きますが、差はほとんどありませんでした。

うつ病と伝えた時、恋人はどのような反応だったのでしょうか?

実際に「うつ病であることを伝えた」の方のリアルなコメントを紹介します。

伝えた時の相手の反応は?


男性・30代

直接
相手も不眠などの症状に苦しんだ経験があったので、特にびっくりすることもなく私の状況をすぐに理解してくれました。


女性・20代

直接
特に驚いた様子はなく、へーそうなんだと受け入れてくれました。
ほっとしました。
うつ病や双極性障害についての本を買って読んでくれたりしました。


女性・30代

直接
全然理解しようとしてくれず、うつ病なんて気の持ちようだなどと言われ、薬を飲むなと言われてしまいました。


女性・30代

直接
話した時は理解してくれていたようでしたが、数日経って期間が経つに連れ、サボってるんじゃないか、本当は動けるんじゃないか、など言ってくるようになった。


女性・30代

LINEなどのメッセージ
直接話すのは勇気が必要だったのでLINEで伝えました。
驚いてはいましたが、優しくて理解のある方だったので事情を理解してもらえました。


女性・20代

LINEなどのメッセージ
特に驚きもせず、どういう経緯でうつになったのか詳しく聞いてくれて理解しようとしてくれていたと思います。


女性・20代

電話
話は一通り聞いてくれましたが最終的に「病気だと思い込んでるから出来ない部分もあると思う」や「みんな辛いと思うよ」と言っていて理解はして貰えませんでした。


女性・20代

電話
初めはどういうことだか理解していなかったが、私がこういうことをしちゃうのがうつの症状であると説明したら、寄り添ってくれました。

どの伝え方であっても、大半が「初めは驚いて様子だったが、受け入れてくれた」「あまり気にしていない様子だった」ということでした。

しかし中にはいい反応ではなく、「甘えているだけと言われた」「冗談だと思っているようだった」といったマイナスな様子だったようです。

60%以上が関係は「よくなった」「変わらない」

■うつ病と伝えた後、関係は変化しましたか? 
・よくなった 38票(26.6%)
・伝える前と変わらない 58票(40.6%)
・悪くなった 11票(7.7%)
・伝えていない 36票(25.2%)
※少数点第2位以下は四捨五入


約4割が「伝える前と変わらない」、3割弱が「よくなった」と回答しました。

半分以上の人がうつ病であることを伝えても、関係性が変わることはなく、むしろ良くなっている方もいるということが明らかになりました。

自分自身が思っている以上にうつ病がどんな病気かを知っている人は多く、偏見が少なくなっているのかもしれません。

うつ病と打ち明けた後のエピソード


女性・30代

彼は今の夫です。
もう20年ほどになりますが、今でも時々気分が塞ぐことがあります。
それでも夫はドシッと構えててくれます。本当に感謝しています。
今は少しでも恩返し?できるように元気な時は家事を一生懸命頑張っています。


男性・20代

何回も会いにきてくれようとしましたが、結果的に自分が重荷になっている感覚とプレッシャーが大きく突き放してしまったりしていました。


女性・20代

以前のように楽しく過ごす、体調が悪い時はそばに居られるよう一緒にいる時間を増やすために同棲を提案されて一緒に暮らし始めた


女性・30代

直接伝えてはいませんが、その後結婚し、今度は夫が仕事でメンタルを壊して毎日辛そうにしているのを支えたことで、過去の恩返しになっていたらいいなと思っています。


男性・30代

逆に伝えた以降も何も変わらなかった。私としてはありがたいが、向こうのストレスが気になる。
相手のためにもこのまま付き合って良いものかどうか悩んでいる。

うつ病と打ち明けた後のエピソードを伺ったところ、「連絡がこまめになった」「結婚をした」「立場が逆になり、現在は支えている」といった話がありました!

なかには「初めはサポートしてくれようとしていたけれど、少しずつ喧嘩が増えていき、別れた」といったことも。

全てを伝えることが正解だとは限らないですが、うつ病と伝えることで支えあう関係に発展しているケースが多いということが分かりました。

まとめ

うつ病・うつ病経験者の方143名に「うつ病のことを恋人に伝えたことはあるか」を聞いたところ

① 70%以上が恋人にうつ病だと伝えた経験がある
② 半分以上が「付き合ってから」うつ病であることを伝えた
③ 60%以上がうつ病と伝えた後も関係性は「よくなった」または「変わらない」

このことから多くの人が恋人にうつ病であることを伝えたことがあり、伝えてからは「より連絡頻度が増えた」「結婚した」など関係性は変わらず、むしろよくなっているようです。

なかには「理解されなかった」「気の持ちようだと言われた」というマイナスな反応をされた人も。

ですがこのアンケート結果からも分かるように、もしかしたら自分たちが思っているほどうつ病に対する偏見は少なく、むしろ理解されるようになっているのかもしれません。

「失望されそうで怖い」「相手の負担になってしまう」と不安を感じるかもしれませんが、もしうつ病であることを伝えたいのであれば「不安が強くて、体調が不安定な時がある」と柔らかく伝えてみるのも1つの方法です。
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