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うつ病経験者206名に聞きました。うつ病のきっかけは「○○関係」が第1位

2023.11.24

うつになるきっかけは人によって様々です。

「うつはメンタルが弱いせいだ」
「こんなことでうつになってしなった」

などとうつになり、自分を責めてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回はうつ病の方、うつ病経験のある方206名を対象に、うつ病のきっかけ(原因)と具体的なエピソードを調査しました。

アンケート概要

アンケート概要
調査対象:うつ病・うつ病の経験がある方
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年11月02日~2023年11月16日
調査人数:206人(男性95名 女性111名)
年代:10代(1名)・20代(40名)・30代(76名)・40代(59名)・50代(26名)・60代以上(4名)

質問事項
1. 年齢を選択してください
2. 性別を選択してください
3. うつ病のきっかけ(原因)を教えてください
4. 具体的なエピソードを教えてください

うつのきっかけ第1位は「人間関係」

■うつのきっかけ(原因)は何ですか?
1位:人間関係 95票(46.1%)
2位:仕事 45票(21.8%)
3位:家族 16票(7.8%)
4位:環境の変化 11票(5.3%)
5位:恋愛 9票(4.4%)
6位:出産・子育て 8票(3.9%)
7位:分からない 4票(1.9%)
その他 14票(6.8%)
※小数点第2位以下は四捨五入


1位は「人間関係(職場・友人など)」でした。

人間関係がきっかけとなり、うつになったという方が多いことがわかります。

そして2位「仕事」、3位「家族」、4位「環境の変化」、5位「恋愛」と続きます。

具体的なエピソードを見ていきましょう。

うつになったきっかけ:1位「人間関係」


女性・30代

新卒入社の会社はブラックとまではいかなくても、高圧的な特定上司によるパワハラが横行していた。度重なる叱責に過大なストレスを感じ、人生で初めてうつ病を患った。


女性・20代

学生時代いじめをきっかけに登校拒否そして、長年の引きこもりによってうつ病を発症しました。


男性・30代

7年ほど前、仕事が大変になり心身の疲れが一杯になっていた所に実家の両親から地元に帰ることを迫られたり、余りにも多すぎる仕送りをされるなど過干渉が強くなったことでうつ病を発症しました。

上司や同僚との関係・上司のパワハラで体調を崩してしまった方が圧倒的に多くいました。

また、学生時代のいじめによって不登校になり、うつになったというケースや両親の異常な干渉によってうつになったというケースも。

「他人の顔色ばかりをうかがっていた」「自分を追い込んでしまった」などと、自分を抑え込み、何とか耐えようとしていた方が多い印象でした。

うつになったきっかけ:2位「仕事」


男性・30代

時間外労働が月100時間超の月(最高200時間)が5か月続き、体調不良のため受診したらうつ病と診断されました。


女性・20代

教員として働いていた頃、朝7時出勤、帰宅は9時前後、そして保護者対応に学校行事の準備を完全にキャパオーバーしてしまい、家族や友達に会うのも億劫になってしまいました。


男性・30代

責任者になってから膨大な業務量をこなさず日々残業で疲れ果ててしまった事です。

「過剰な業務量をこなさなければならなかった」とコメントしている方がとても多かったです。

勤務時間内に対応できる仕事量ではないため、残業が増えていき、心身ともに体調を崩してしまったのではないかと考えられます。

また「役職が変わる(管理職になるなど)」によって、今までと業務の幅が変わり、業務量も増え、体調を崩してしまったという方もいました。

その他にも「お客さんへのクレーム対応」で会社とお客さんとの間で板挟みに合い、解決しようとして考えすぎてしまったなど、一人で抱え込んでしまい、うつになったというケースもありました。

うつになったきっかけ:3位「家族」


女性・20代

私の家は機能不全家庭という特異な環境だったため、子どもの頃からストレスを常に感じながら生活してきました。父親がアルコール依存症だったのですが、家の中はいつもピリピリしていて両親は常にケンカをしているという家庭環境でした。しかし私が高校生になった頃、徐々に自分自身も精神的に不安定になることが増え、その後うつ病と診断されました。家族が原因でうつ病になり、今現在も通院をしています。


女性・30代

中学生の頃に集団無視されるなどのイジメを受けてから人を遠ざけるようになり、その時もうつの症状が出て約半年くらい不登校の日々が続いていましたが、その後進学して働きに出ることができた時、一番信頼していた理解者の母親が癌で亡くなってしまったことで心が壊れてしまい、酷いうつ状態になって精神科にお世話になっていました。


女性・30代

元夫のモラハラです。子供が生まれてすぐに態度が変わり、子供の病気や家計、自営の金銭管理など全てを丸投げにした上に、上手くいかない事は全て私のせいにされ責められ続けた結果、うつ病になりました。

「父親からの暴力」「両親のけんか」や「家族から将来の期待」など幼い頃からの家庭環境によって、うつになったとコメントしている方が圧倒的に多かったです。

また自分の一番の理解者であった家族を亡くし、体調を崩していったという方も。

結婚をした相手のモラハラや不倫などでうつになったというケースもありました。

それが当たり前の環境であったからこそ、逃げられない・逃げてはいけないと思い、うつになるまで深刻化してしまったのかもしれません。

うつになったきっかけ:4位「環境の変化」


女性・30代

結婚をきっかけに大阪から地方に移住しましたが、言葉や環境に馴染めず発症した。


女性・30代

長期間の海外滞在で、ストレスが溜まりに溜まり、うつ病になってしまった。


男性・20代

慣れない職場で一人ぼっちになった

結婚や就職・転職などによって、環境が変わり、周りに頼る人がおらず、うつになったというコメントが多かったです。

そのほかにも受験や長くいた場所からの引っ越し、長期間の海外滞在などストレスが溜まり、負担となったという方がいました。

環境に慣れることだけでもストレスが溜まるというのに、周囲に相談できる人もいないため、精神的にも肉体的にも追い込まれていたのではないでしょうか。

うつになったきっかけ:5位「恋愛」


女性・30代

当時付き合っていた彼氏が三股をかけていて私以外の女性の一人を選んだショックから食欲不振・気持ちの落ち込みなどが起きしばらくしても状況の改善がなかったので通院することになった。


男性・30代

好きになった異性とうまくいかなくなってしまい、恋愛をしたくないと思い、うつになりました。


女性・30代

彼氏と別れてから生きる意味を失い、食欲がなくなったことで精神的にやられてしまったからです。

交際相手との別れや浮気によって、気分が落ち込むことが続き、うつになったというコメントが多くありました。

その他にも、失恋をしたことがきっかけとなり、自信をなくし、体調不良を起こしていったという方もいました。

自分にとって大切だった人がいなくなり、何もかも失ってしまったという喪失感によって、うつが引き起こされたかもしれません。

まとめ

うつ病・うつ病の経験がある方206名にうつ病のきっかけ(原因)を聞いた結果


① 約5割の人が「人間関係」をきっかけにうつ病になっている
② 「一人で抱え込む」「自分を追い込む」等、なんとか自分で解決をしようとしていたコメントが多かった

このことから、自分で解決をしようとしてさらに孤立してしまう負のループがあるのではないでしょうか。

それらを解決するために周囲に相談できる環境を意識的に作ることや簡単に助けを求めることができる場所を作る必要があると思いました。

ただそうは言っても、人に相談することが苦手な方もいるでしょう。

人に相談することで、「新たな見方を教えてくれた!」と考えてみるのはどうでしょうか?

それを絶対に実践しなければならないことでもないですし、人に相談することで助けの手を差し伸べてくれるかもしれません。

知り合いや友人ではなくても大丈夫!

心療内科・精神科の先生やカウンセラーの方に相談してみるのも一つの方法だということを覚えておいてくださいね。

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