障害者手帳のメリットとデメリットを100名に聞いてみた
「就活の時に悪い影響があったらどうしよう」
など手帳を持つことにたいして色々不安なことがありますよね。実際に障害者手帳を持っている方はどのようなメリット・デメリットを感じているのでしょうか?
今回は、【障害者手帳を持った経験がある方100名】を対象に障害者手帳のメリット・デメリットを具体的なエピソードとともに調査しました!
アンケート概要
調査対象:障害者手帳を持っている方、または持っていた方
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月12日~2024年1月26日
調査人数:100名
1. 年齢
2. 性別
3. 手帳を取得してどれくらい経ちますか?
4. 最も当てはまるメリットを教えてください
5. 具体的なエピソードを教えてください
6. 最も当てはまるデメリットを教えてください
7. 具体的なエピソードを教えてください
8. 手帳をもって良かったと感じますか?
アンケート属性は次の通り。
・性別
男性 50人 (50%)
女性 50人 (50%)
・年代
20代 17人(17%)
30代 31人(31%)
40代 31人(31%)
50代 16人(16%)
60代以上 5人(5%)
障害者手帳を持ってから5年以上の方が41%
・3ヶ月未満 5票(5%)
・3ヶ月~半年 8票( 8%)
・半年~1年 11票(11%)
・1年~3年 19票(19%)
・3年~5年 16票(16%)
・5年以上 41票(41%)
41%の方が5年以上障害者手帳を持っていると答えました。長い期間、手帳を持っている方が多いですね。
手帳を持ってるメリット1位「交通機関の割引」
1位:交通機関の割引 28票(28%)
2位:レジャー施設が安くなる 23票(23%)
3位:障害者雇用で働くことができる 16票(16%)
4位:税金が免除される 14票(14%)
5位:公共施設が割引・無料になる 9票(9%)
6位:携帯料金の割引 2票(2%)
7位:公共料金の割引(水道料金など)1票(1%)
8位:特にない 1票(1%)
その他 6票(6%)
「交通機関の割引」が手帳を持っているメリット1位という結果に。続いて「レジャー施設が安くなる」が23%、「障害者雇用で働くことができる」が16%でした。どんなメリットがあったか具体的なエピソードを見ていきましょう。
1位:交通機関の割引
女性・30代
自分は出歩くことが多いので、交通機関の割引が助かります。不安等が高いので、ついつい家に閉じこもりがちになりますし、どこかに出かけるのにも交通費がかかって嫌だと思っても、割引があると考えると、出歩いても良いかなと思って、症状が落ち着きやすいので。
女性・20代
タクシーを利用することが多くなり、手帳を提示して1割引きの料金を支払っています。1割引きの適用は、手帳を発行している都道府県に限られていると思っていましたが、ほかの地域でタクシーを利用したとき、割引できるタクシー会社だったため、多少でも料金が安くなり助かりました。
2位:レジャー施設が安くなる
女性・20代
映画館の料金が1000円になることやディズニーランドなどのテーマパークも安くなるのでお得に楽しめるところが一番のメリットだと感じています。私は映画を見るのが大好きなのですが、障がい者雇用で働いているので給料が少なく、通常料金の1800円だと金銭的に厳しいのですが割引で1000円で見られるので非常に助かっています。
男性・30代
一度、男子ゴルフツアー観戦に行こうと思って、とある大会のチケット詳細を見ると「障がい者手帳をお持ちの方は無料」とあり、現地に手帳を持って観戦に行って2日間無料でプロのプレーを満喫できました。
3位:障害者雇用で働くことができる
女性・30代
手帳を貰うまで、体調不良になる日が多く会社に迷惑をかけて、自分を責めることが多かったです。しかし、手帳を貰い障害者雇用で働いてからは休日や出勤時間に余裕があり自分のペースで働くことができているので、自分らしい働き方ができています。
男性・20代
ハローワークで就職の相談をする時に障害者専門のブースに案内されて、障害者として認識してもらえて相談がしやすかった。
4位:税金が免除される
男性・20代
免除ではないですが、毎年の自動車税が思っていた以上に割引されるので、比較的大きな車に乗っていて税金が高い分とても助かっています。
女性・20代
確定申告の際に障害者控除が27万あるので節税になることがいい
5位:公共施設が割引・無料になる
女性・30代
もともと美術館に行くことが趣味で夫と二人でよく行っていましたので、手帳所持者と付添1名まで無料の施設が多くとても助かっています。また、森美術館など私設の美術館も無料の場合があり1人あたり2000円が無料となりとても有り難いです。
男性・20代
国公立の美術館や博物館が無料になる。このおかげで、美術展に良く出かけるようになり、西洋絵画史という新たな趣味に出会えました。
6位:携帯料金の割引
女性・30代
プランからオプションまでかなりの割引額があって助かります。
女性・20代
毎月支払いでスマホの基本料金が割引されるので、支払いの負担が軽くなり助かっています。
7位:公共料金の割引
男性・30代
今はそういうサービスはうちの市ではなくなったが、水道代が安くなった。
その他に感じたメリット
女性・20代
通院している病院で、医療費の負担が少なくなることを実感しています。
男性・20代
目に見えない障害なので、出先で何か(発作など)あったときに、周りの人に障害があることを説明できる手段になる。普段特別扱いされたいわけではないが、しんどい時に周りに説明できる余裕がないのでお守りとして持っている。ヘルプマークなどもあるが、より信頼度が高いものとして役に立つ。
手帳を持っているデメリット1位「更新の手続きが面倒」
1位:2年ごとの更新の手続きが面倒 23票(23%)
2位:特にない 22票(22%)
3位:一般転職が以前より難しくなった 11票(11%)
周囲に障害者だと知られた 11票(11%)
4位:周りから偏見を持たれた 9票(9%)
更新に診断書代のお金がかかる 9票(9%)
5位:会社内で働きづらくなった 6票(6%)
6位:友人・恋人関係が変わった 5票(5%)
その他 4票(4%)
「2年ごとの更新の手続きが面倒」が手帳を持っているデメリット1位という結果に。続いて「特にない」と答えた方が22%、「一般転職が以前より難しくなった」「周囲に障害者だと知られた」が11%でした。どんなデメリットを感じたのか具体的なエピソードを載せていきます。
1位:2年ごとの更新の手続きが面倒
女性・30代
更新するのをうっかり忘れてしまい、職場に届けを出すのが遅れてしまいました。また、更新するのに毎回診断書が必要で、そのために電車を乗り継いで病院に行くのはとても大変です。近くにあればよかったのですが、大人の発達障がいとなると診断できるところが限られているので難しいことがあります。
女性・20代
更新手続きが窓口に出向いてしかできないこと、更新するのに3か月近くかかり、新手帳が来る前に旧手帳の有効期限が切れてしまわないか不安である。
2位:特にない
女性・20代
障害者手帳を持つデメリットは何もないと思います。障害者手帳は必ず使わなきゃいけないという訳ではなく、使うかどうかは自分の自由です。。ただし、手帳を持っているだけの人(割引などを一切利用しない人)にとっては更新の際の診断書代がデメリットかなと思います。持ってるだけなのに2年ごとにお金を払わないといけないからです。
男性・30代
取得する前はネガティブな感情がありましたが、今はありません。ネット上でもオープンにしています。
3位:一般転職が以前より難しくなった
女性・20代
一般雇用の転職の時に履歴書に現在の会社の事を聞かれたときに特例子会社ですと言ったら相手側からあまり良い印象を持って貰えなくて、不採用になってしまった。
男性・20代
障害者であることを伝えただけで「うちではちょっと雇えない」などと言われ、面接さえ受けさせてもらえない。
3位:周囲に障害者だと知られた
男性・20代
一部の人ではありますが、障害者手帳を保有していることで、距離を置いてくることがあります。
女性・30代
周りのコソコソ話は、私のことを言ってるのかなと感じてしまう
4位:周りから偏見を持たれた
女性・30代
田舎なので、車椅子で気管切開をして、スーパーなどで買い物をしてるのが珍しいのかよく見られる。意地汚い人だと、「あらー、若いのにねぇ」とか小さい声で言っているのが聞こえてくるのが腹立たしい。
女性・20代
バスの運転手から舌打ちなど冷たくされた。身分証明の為手帳を提示すると先方の態度が豹変した。
4位:更新に診断書代のお金がかかる
男性・20代
診断書代が8000円もする。結構高額なため、更新することの意思確認を取られる(高額なため、あまり恩恵を受けないと拒否する人もいるらしい)
女性・20代
定期的な通院をしていて、その通院費もばかにならないと思っている上で、さらに診断書などの費用がかかるので、負担が大きい。
5位:会社内で働きづらくなった
女性・20代
心ない会社の同僚から障害を理由にからかわれたことがある
男性・30代
障害者雇用で働くと会社には障害者として扱われるが、一緒に働く人たちからは偏見を持たれることがあった。
6位:友人・恋人関係が変わった
女性・30代
やはり、障害がある証明になるので、結婚して出産したときに、子供にもそのような障害が出るのではないか、という疑念をもたれる。本人同士は良かったとしても、親世代に関してはそういった印象が強く、結婚が難しくなると思う。
女性・20代
一部の友達に障害者手帳を貰っていることを告白すると、連絡がいきなり減り態度もよそよそしくなりました。今後も仲良くしたかったので、寂しい気持ちでした。
その他に感じたデメリット
男性・30代
手帳を持ち続け、診断を受けていると不動産を購入する際の団信に入れずローンを組めない可能性がある点。購入を検討したが結局自分名義にしなかった。
女性・20代
手帳を持つ事で割引など経済的負担も減る事は理解しつつもやはり市役所などで聞いたりネットで調べないとどんな所でどういう時に割引されるか知る事ができません。
障害者の方で自分で調べること、聞くことも難しい人もいると思いました。なかなか文面や口頭だけだと理解しにくい所もあります。
「手帳を持つことでどのような割引があるかが分かりづらい」
「不動産を購入するときにローンを組めない可能性がある」
「見た目で分からない障害だったので親から理解してもらえなかった」
という意見がありました。
42%の方が手帳を持っていてよかったと回答
よかった 42票(42%)
まあまあよかった 36票(36%)
どちらでもない 17票(17%)
あまりよくなかった 4票(4%)
よくなかった 1票(1%)
42%の方が手帳を持っていて「よかった」と回答!36%の人は「まあまあよかった」と答えました。手帳を持っていて「よくなかった」と感じた方は1%しかいませんでした。手帳を持っていてよかったと感じた人が多いですね。
まとめ
②メリット1位「交通機関の割引」
③デメリット1位「2年ごとの更新の手続きが面倒」
④42%の方が手帳を持っていて「よかった」と回答
このことからデメリットを全く感じていないわけではないがそれを上回るメリットがあるので手帳を持ち続けているかたが多いことが分かりました。
「交通機関の割引」「レジャー施設の割引」などのメリットを答えた方はお金の負担が減るだけでなく、外に出かけることや映画などの趣味を楽しむことでリフレッシュになっているようです。
2年ごとの更新の手続きが郵送やオンラインで出来るようになればデメリットを感じることなく手帳を持てる方が今より増えるかもしれませんね。
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