障害者雇用で実際に働いている人アンケート。障害者雇用のメリットとデメリットは?
「障害者雇用で実際に働いている人が多い職種は?」
など障害者雇用に関して気になることがあるのではないでしょうか?
今回は障害者雇用で働いた経験がある方43名に、障害者雇用枠の良い点と悪い点について調査しました!
アンケート概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年04月15日~2024年04月29日
対象者 :障害者雇用で働いた経験がある方
1. 年齢
2. 性別
3. 障害者雇用枠で働いてどれくらい経ちますか?
4. 働いているor働いていた職種を教えてください。
5. 働いて良かった点で最もあてはまるものを教えてください。
6. 具体的なエピソードを教えてください。
7. 働いて悪かった点で最もあてはまるものを教えてください。
8. 具体的なエピソードを教えてください。
アンケート属性は次の通り。
■性別
・男性 27名(62.8%)
・女性 16名(37.2%)
■年代
・10代 3名(7.0%)
・20代 9名(20.9%)
・30代 12名(27.9%)
・40代 16名(37.2%)
・50代 2名(4.7%)
・60代以上 1名(2.3%)
障害者雇用枠で働いてどれくらい?
3か月未満 7名(16.3%)
3か月以上から半年 7名(16.3%)
半年から1年 7名(16.3%)
1年から3年 10名(23.3%)
3年から5年 6名(14.0%)
5年から10年 4名(9.3%)
10年以上 2名(4.7%)
※小数点第2位以下は四捨五入
障害者雇用枠で働いていた期間を調査したところ、このような結果に。
働いていた職種 第1位は『事務』『軽作業』
1位: 事務 14名(32.6%)
軽作業 14名(32.6%)
2位: サービス業 5名(11.6%)
3位: 清掃 3名(7.0%)
4位: 接客・販売 2名(4.7%)
5位: クリエイティブ 2名 (4.7%)
6位: 配送・倉庫 1名(2.3%)
7位: 技術関連 1名(2.3%)
その他 1名(2.3%)
※小数点第2位以下は四捨五入
働いていた職種は、「事務」「軽作業」が1位という結果に。続いて「サービス業」が11.6%、「清掃」が7.0%でした。障害者雇用では「事務」「軽作業」の求人が多いことからこのような結果になったのではないでしょうか。
働いて良かった点 第1位『働き方』
1位: 働き方(勤務日数・時間など) 14名(32.6%)
2位: 業務内容 12名(27.9%)
3位: 人間関係 8名(18.6%)
4位: 働く環境(勤務場所・コミュニケーションの取り方など) 5名(11.6%)
5位: 給与 2名(4.7%)
6位: 休みの取りやすさ 1名(2.3%)
その他 1名(2.3%)
※小数点第2位以下は四捨五入
働いて良かった点、第1位は『働き方』でした。2位『業務内容』3位『人間関係』と続きます。どのような場面で良かったと感じたのか具体的なエピソードを見ていきましょう。
1位:働き方
女性・30代
体調が悪いときは日数や時間を減らしていただきました。作業量も体調によって調節してもらえて、良かったです。
電話対応などは台本を作っていただけたので、緊張せず行うことができました。
女性・30代
精神疾患とそのための服薬によって、長時間集中が続かないため仕事を探すのが難しい状況がありました。一日あたり数時間を隔日というかなり緩やかなペースの仕事配分にしていただき、体力的にも良かったです。
忙しい時期などはどうしてもバタバタするのですが、1時間毎くらいに上司が休憩するように言ってくださっていました。一般就労だとそれほどまでのお気遣いはいただけなかったかと思いますし、得意なことを自分に合わせた形で活かせたのがありがたかったです。
男性・30代
定期的な医療機関への受診ための遅刻、早退や通勤時の混雑を回避し安全に出社できるよう出勤時間を遅くしていただくなどの御配慮を頂きました。
女性・20代
難しい単語がわかりにくいので、できるだけ簡単な言葉でわかりやすく業務の内容を説明してもらったり、自分のペースで仕事をさせてもらってます。
2位:業務内容
女性・20代
学校事務補助、障害者福祉施設で事務補助をしていました。足が悪く手も不自由なのですが、それを考慮してくださって業務してました。なるべく事務室から出ずに作業できる様にしてくれたり、他の職員さんからも頻繁に体調を気にかけてくださったりしていました。
男性・30代
ノルマなどがなく、掃除がメインなので自分のペースで仕事ができるのは負担が少なかった。
女性・30代
支援員の方がついてくれたので分からない時に質問することができました。作業自体は3ケ月程度で覚えることができました。
男性・20代
障害者雇用ということで、業務についての配慮がしっかりなされていたことと作業手順についてわかりやすくしてもらえました。
3位:人間関係
男性・30代
先輩からのフォローがしっかりしていて毎日のやるべきことが明確で仕事しやすいです。
男性・20代
コミュニケーションが苦手ということを理解してくれて、良い人ばかりの部署に配属されました。明らかに優しい人ばかりですし、仕事の進捗などもこまめに聞いてくださってとてもうれしかったです。
女性・30代
歩行困難な軽い身体障害者として、働き始めて良かった点は、同じ障害を持つ仲間との出会いを通して、互いに支え合い、共に成長していく喜びを味わえたことです。職場では、健常者とは異なる視点や経験を持つ私たちが、それぞれの得意分野を活かして協力することで、チームワークを強化し、業務の効率化に貢献することができました。
4位:働く環境
女性・30代
しんどくなった時に相談できる担当の方の連絡先を教えていただきました。とても信用できる担当者さんだったので気持ちが楽でした。
男性・30代
自分自身が業務に集中できる環境を整えてくれて、非常に感謝している。
5位:給与
男性・20代
時給は健常者よりやや下がるものの、寸志で調整してもらえ、年収ベースで健常者とほぼ同じ水準でもらえているため。
6位:休みの取りやすさ
女性・20代
うつ病を患い、精神障害手帳を取得したことを踏まえて働くことが出来ている。このことが一番大きな要素。体調が優れない時の休みや、有給の申請はとてもすんなりと行うことが出来るので助かります。
働いて悪かった点は『給与』『人間関係』
1位: 給与 13名(30.2%)
2位: 人間関係 12名(27.9%)
3位: 業務内容 7名(16.3%)
4位: 特にない 3名(7.0%)
5位: 働き方(勤務日数・時間など) 2名(4.7%)
6位: 働く環境(勤務場所・コミュニケーションの取り方など) 1名(2.3%)
休みの取りやすさ 1名(2.3%)
その他 4名(9.3%)
※小数点第2位以下は四捨五入
働いて悪かった点、第1位は『給与』、第2位は1票差で『人間関係』でした。この2つに悩まされた人が特に多いようです…具体的なエピソードを見ていきましょう。
1位:給与
女性・20代
軽減勤務をしているので仕方のないことであり、納得していた面ではありますが、一般就労の方と比較すると、給与が5万円程度低かったことです。
男性・30代
やはり障害者雇用は給与が低く働くモチベーションを維持するのが難しいです。
男性・20代
給与が低く、1年以上働いていても全く変化がありませんでした。
男性・20代
お給料は結構安くて、手取りで15万もいかなかったので生活はきつかったです。
2位:人間関係
女性・30代
障害者雇用枠で働いて感じたのは、人間関係の複雑さだ。理解があると思っていても、実際に働いてみると様々な問題が浮き彫りになった。コミュニケーションの取り方や、適切な距離感の難しさ。時には配慮してほしいと思っても、相手の理解が得られないこともある。しかし、その中で自分も成長したと感じることができた。お互いに支え合い、助け合いながら関係を築いていく中で、自分自身を見つめ直すことができた。人間関係の難しさを感じつつも、それを乗り越えて成長していけると信じている。
男性・30代
障害があるということは周りにも知らされていました。そのせいで過度に気を使われてしまい、逆に居づらかったです。社内の雰囲気が私への気遣い中心になってしまったのが苦しくて、半年で辞めました。頑張れば一般雇用でも働ける、くらいの障害だったら一般のほうが絶対に良いと思います。
女性・30代
施設で働いているので、苦手な利用者さんとの距離の取り方がわかりづらくて困ってます。
男性・20代
人間関係で嫌になることがある。特に直接働く人や上司がかわることで、ガラッと雰囲気や仕事内容もかわる
3位:業務内容
男性・30代
病院の看護助手として勤務しておりました。8時間勤務でしたが、ほとんど清掃と雑巾絞りしかさせてもらえず苦痛でした…。私が障がい者雇用であることは一部のスタッフしか知らず、あまり配慮は感じませんでした。他の看護助手スタッフと仕事内容が違うので「これぐらいの雑用ちゃんとしなさい」ときつい言葉で注意されることもありましたし、孤独でした。
女性・20代
障がい者である以上業務がある程度限定的になってしまうのでステップアップに関しても限定的になってしまうことです。
男性・30代
悪かった点は業務内容が限定的なものばかりで給与があがらず、やりがいもあまりないことです。
4位:特にない
男性・30代
全ての点においてかなり優遇していただいたので、悪かった点はあまりありません。
強いて言えば、事務員は私ひとりで、困ったときやトラブル時に業務内容の相談を出来る人が少なかったくらいです。
それも私が働いていたところの上部組織の事務員さんに相談すれば大抵はなんとかなっていました。経理事務だったので、うっかりミスなどをしないように注意はしていたものの、たまにトラブルはありました。仕事のレベルの割に責任は重いのが若干負担でした。
女性・20代
今の所に不満はところはありません。みんな優しくて本当に気をつかってくれる。
5位:働き方
男性・30代
個人的にはやりすぎてしまうので歯止めが聞かない自分が悪いのかもしれないが休みが少なくなってしまう
女性・20代
急に残業になると、自分の中で受け入れることが難しい時があり、精神的に不調になってしまうことがあった点。
6位:働く環境
女性・20代
たまに社員に難しいこと言われたりすると、作業がやりにくい時があった。忙しい時は勤務時間が長くなる時があったけど、その時は相談しながら働いた。
6位:休みの取りやすさ
男性・30代
配送業務は休みが非常に不定期であることから、中々自由にシフトを組むことが出来ませんでした。
その他
男性・30代
業務場所まで相乗りで行くのですが、片道2時間ほど通勤時間がかかり、作業より、車酔いが酷くやめた。
女性・30代
会社規模は大きくて安定していますが、給料が低く契約満期が近づくにつれて更新できるか不安です。
「通勤時間がかかり、車酔いが酷くてやめた」
「契約が更新してもらえるか不安」
という意見がありました。
まとめ
②障害者雇用枠の良い点は『働き方』
③障害者雇用枠の悪い点は『給与』『人間関係』
働いていた職種では『事務』『軽作業』が多いという結果でした。障害を持つ人々に合わせた配慮や業務が提供しやすいため、多くの企業が求人を出していることからこのような結果になったのではないかと考えられます。
障害者雇用枠には良い点だけでなく、悪い点もあることが今回のアンケートから分かりました。障害者の方々が働く時には、これらのポイントを比較してよく考えて、自分に合った働き方を選択することが大切ですね。
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