うつ病経験者が仕事でイライラしたことランキング【226名にアンケート】
「ずっと隣の席の人が話しかけてきて、仕事が進まない」
「失敗する自分にイライラする」
など、うつ病になる前となった後では、今まで気にならなかったことにイライラしたり、こういう風な扱いを受けてきたから鬱になったのだと客観視してしまった経験がある人は多いのではないでしょうか。
今回はうつ病・うつ病経験がある方226人を対象に仕事でイライラした経験とその時の反応について調査しました。
アンケート概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年5月15日~2024年5月29日
調査人数:226名(男性71名 女性155名)
年代:10代(2名)・20代(62名)・30代(81名)・40代(55名)・50代(20名)・60代以上(6名)
1. 年齢を選択してください。
2. 性別を選択してください。
3. 仕事でイライラした経験はありますか?
4. 最もイライラしたことは何ですか?
5. 具体的なエピソードを教えてください。
6. その問題へどのような反応をしたか、最もあてはまるものを教えてください。
7. 具体的なエピソードとその後のことについて教えてください。
96.9%は仕事でイライラした経験あり!
・はい 219票(96.9%)
・いいえ 7票(3.1%)
※少数点第2位以下は四捨五入
仕事でイライラした経験がある人は96.9%で、アンケート回答者のほぼ全員が仕事でイライラした経験があるということが分かりました。
最もイライラしたことベスト3
1位:上司や同僚、取引先などからの理不尽な言動や対応 73票(32.3%)
2位:仕事でのトラブル(急な変更や予定通りに仕事が進まない等) 23票(10.2%)
同率2位:自分自身(繰り返しのミスへの自責等) 23票(10.2%)
3位:働き方(仕事量や残業が多い等) 21票(9.3%)
4位:不公平な評価(給料が少ない・ボーナス等の待遇) 20票(8.8%)
5位:仕事内容(無駄なミーティングが多い・単純作業ばかり等) 16票(7.1%)
6位:環境(静かに休憩できない等) 16票(7.1%)
7位:配慮(休みの取りにくさ等) 10票(4.4%)
8位:仕事以外での集まり(飲み会・BBQ等) 8票(3.5%)
9位:通勤(通勤時間が長い・時差通勤やフレックスタイムがない等) 6票(2.7%)
その他 6票(2.7%)、イライラした経験はない 4票(1.8%)
※少数点第2位以下は四捨五入
最もイライラしたこと第1位は「上司や同僚、取引先などからの理不尽な言動や対応」、2位「仕事でのトラブル」「自分自身」、3位「働き方」と続きます。
では具体的にどのようなエピソードがあるのか、見ていきましょう。
第1位「理不尽な言動や対応」
女性・20代
3階から1階にものを移動する際に、移動しなくていい物を運んでしまったことがありました。その際、男性の上司がこっちを見ずにフロアに響き渡るくらい大きな声で「あーあ笑これだから頭使わないとー!!笑」と言ってきたことがあり、とてもイライラしました。また、その後も遅れをとっていた他のスタッフのフォローをした際、私に対してお客様に聞こえるか聞こえないかくらいの声で「何分かかってると思ってんの?」と言ってきたり、内線で私は関係ないのに電話に出た瞬間怒鳴られるという事も多く、かなり精神的にキツかったです。他の男性の上司に至っては、気に入らないスタッフの事を本人がいてもいなくても色んな人に悪口を言いまくり、挙句の果てにそのことに対して上長から注意を受けて戻ってきても、「俺あいつのこと信用してないから」とまた言いふらしていました。私に対しても営業後にわざわざ電話かけてきて怒鳴ってきたこともあります。何故そのように言葉に気を使えない人や自分の感情で動く人が多いのか不思議ですし、協力しての仕事だった為とてもストレスでした。
女性・30代
以前に勤めていた会社で、上司に全く経験のない業務を任されました。その時は「分からな事はサポートするから是非お願いしたい」という話だったのに、質問しても何も答えてくれず、不安と心細いのと孤独感が募るなか業務を進めていましたが、結果不備があり社長に怒られた時もその上司が同席していたのに知らん顔で、裏切られたような気持ちになりました。
女性・30代
新卒で採用になった会社が絵に書いたようなブラック企業で最悪でした。
すべては社長の気分次第で物事が進み、そのせいで各方面への納期も遅れが生じ、何度も取引先の方に「社長をなんとかしろ」と怒鳴られました。
そんな感じなので給料もちゃんと給料日に振り込まれない、会社として成立していることがおかしすぎる会社でした。
女性・20代
まだ入社して日も浅い頃でした。突然先輩に呼び出され、誰もいない部屋で「この仕事、あんたに向いてないってみんなが言ってるの知ってる?」と言ってきました。知らないけれど「知ってます」と答えると、「じゃぁどうすればいいか分かるよね?」と言って先輩は部屋を出ていきました。おそらく辞めさせようとしたのかな?と思いました。
内向的で言い返せない性格をいいことに失礼なことを言われ、さらにはプライベートのことまで口を出された、今でも思い出して怒りがこみ上げてくるというエピソードもありました。
うつ病の人には真面目な人が多いため、「真面目だから何でもやってくれるだろう」という考えから理不尽な対応をされやすいのかもしれません。
第2位「仕事でのトラブル」
男性・30代
期限日当日までに作業を終えて帰宅しようとした時に電話がなり、予定変更になったのでその日のうちに変更作業を終わらせてと上司から言われ、夜12時まで残業をしました。その後、上司からの謝罪もなくご苦労さんと言われ、本気で殴りそうになりました。
女性・30代
現場をぜんぜん分かっていない上の人間が勝手な判断で支持を出し、現場の人間はもういっぱいいっぱいなのに仕事量がどんどん増えてトラブルも増えるという事態。
女性・20代
仕事で自分一人では捌ききれない量を任されてしまい、あたふたしているにも関わらず、他の人は何もせずに見てるだけだった時。
上司の思いつきといった、現状を把握できていない人による判断によって、振り回されているようでした。
同率第2位「自分自身」
男性・30代
普段の通常通りなら、頭の中でいくつかやる事を3つ考えつつあれこれやれるんですが、鬱などを患うとその3つ頭に入れられるキャパが1~2つ鬱によって埋まってしまう感じなので、本当に仕事は今手にしてる事しか出来なくなるもどかしさでイライラしたりします。
女性・30代
どれだけマニュアルを作って自分なりにミスが起きないように努めているが、どこか抜け落ちてしまい、自分を責めたくなるくらい悲しい気持ちと諦めとイライラがつのってしまいます。
女性・20代
周りは臨機応変にテキパキと対応ができるのに自分は全然できず、上司や指導者から注意や叱られることばかりで周りからも「あの人いつも注意されている人」「よく怒られている人」「なんでこんなこともできないのか」「あの人の指導者じゃなくてよかった」などの陰口を言われるようになり、なぜこんなにもできないのだと自分を責めた。マニュアルや手順書を作成したり、確認をしながら業務を進める、できる人の行動ややり方を観察し、取り入れるなど自分でできることの対策をしたが、うまくできないのは変わらなかった。どうしてできないのって思うと、余計にできなくなり、どうしたらよいのかわからなくなった。
うつ病になりやすい人の特徴に「完璧主義」という点があります。
そのことを踏まえると、完璧に進める努力をしたのに、失敗すると大きいショックと絶望を感じてしまうのかもしれません。
第3位「働き方」
女性・30代
新しくできたチームに異動したときのことです。元々あった事業から引き継いでいる部分もあったのですが、チームのメンバーにはその既存事業について知識や経験のある人は全くおらず、完全に1からスタートの状態でした。ただでさえ業務量が多いのに、手探りなところが多過ぎて毎日毎日夜遅くまで残業。思うように仕事が進められず、チーム外の人達からの当たりも強くなって、ひどく落ち込んだりイライラしたりという状態になりました。
女性・20代
同僚は座って書類整理をしていて、おしゃべりをしながら終業時刻まで時間をつぶしていたのに、私は書類整理に加え肉体労働であるロッカー清掃や翌日準備、他部署への通知などで、ほぼ毎日残業した。
女性・30代
育休明けで短時間勤務になったのですが、経験者が自分自身しかおらず、以前と仕事量が全く変わらず思うようにいかないこと。
そのような環境であると、職場全体が不満を抱え、当りが強くなり、さらに不満が募っていくという悪循環になっているようです。
イライラへの反応第1位は・・・「ひたすら耐える」
1位:ひたすら耐えた 74票(32.7%)
2位:誰かに話した 40票(17.7%)
3位:涙が止まらなかった 31票(13.7%)
4位:はっきり意見を言った 12票(5.3%)
5位:その場から立ち去った 11票(4.9%)
6位:自傷行為に近いものをした(皮膚をつねる・髪を抜く等) 10票(4.4%)
7位:怒鳴った、キレた 9票(4.0%)
8位:すぐに退職届を提出した 9票(4.0%)
9位:特になにもしていない 9票(4.0%)
10位:周囲に当たってしまった 6票(2.7%)
11位:貧乏ゆすりなど落ち着きのない動きをした 3票(1.3%)
イライラした経験はない 2票(0.9%)、その他 10票(4.4%)
※少数点第2位以下は四捨五入
イライラしたことへの反応第1位は「ひたすら耐えた」、2位「誰かに話した」、3位「涙が止まらなかった」となりました。
ではその後はどのように過ごしたのでしょうか。
その後のエピソードについて、聞きました。
第1位「ひたすら耐える」エピソード
女性・20代
会社に行くたびに吐き気がして、夜も眠れなくなり食欲も無くなってしまった。次第に運転が出来なくなり、会社を休む様になってしまい退職した。
女性・30代
周りに迷惑をかけたりさとられないようにとりあえずひたすら考えを押し込めて退社まで耐えています。帰ってから自責したり休んでやり過ごしています。
女性・20代
誰にも相談できず、職場と自宅の往復だけをする無気力な日々を続けてただひたすら耐えました。数年後にチームから別の部署に異動になり、その後は元気に働けました。
男性・30代
ひたすら耐えた結果、ある時、仕事がバカらしくなり、会社に行かなくなりました。そして、病気であると診断され薬を服用しつつ、転職しました。すると、転職先はエンジニアの人を大切にしてくれる会社で理解があり、理解があったからこそうつ病が緩和され今に至ります。
女性・20代
嫌な事を耐え続けた結果、家に帰ってもその事が頭から離れないでイライラしたり泣いたりして、次第に休みの日でも全く無気力状態になってしまいました。結婚する事を理由に辞めたのですが、簡単に心の傷は癒さず、精神科でうつ病の診断を受けて通院する事になりました。今は幸い回復していますが、早く辞めれば良かったと思います。
なかには別の部署に異動になり、体調が回復したというコメントも。
仕事は生きるための手段であって目的ではないので、その仕事によって体調やメンタルへ悪影響を及ぼすのであれば他の仕事を探すことを検討してみるのもよいでしょう。
第2位「誰かに話した」エピソード
女性・30代
同僚と話し合って別の上司へ個人個人で相談したが結果は変わらずとても落胆した。結果退職する人が増えて自分自身も退職した。
男性・30代
仕事が全く捗らず、終いには失敗の連続で職場の人はなんとも思ってないかもしれないんですが、自分が思う周りの考えを勝手に考えるようになった時、ふと限界を感じた時パートナーに相談しました。本当は心配もかけたくないし、情けない姿も見せたくなかったのですが、話してくれてありがとう!と言われた時それだけで心の1部と頭の中のごちゃごちゃが晴れた気はしました。
女性・20代
相談をしようと予定を立てても本音を話せず終わってしまい、1人で抱え込むことが増えてしまった。色々と小さなことが積み重なり、仕事ができない状況まで追い込まれて休職後、退職した。
女性・20代
やんわりとこちら側から改善要望を伝えた。だんだん同じ不満を持つ他場所の人と愚痴を言い合うようになり、腹が立つチャットやメールがきた際はスクショして送りあっていた。結果的に愚痴を言い合っていた人とは仲良くなったが、会社に対する不満が募っていたこともあいまって退職した。
また上司に直接相談する方も。
人に話すことで考えや気持ちが整理され、ストレス解消にもなるかもしれません。
同僚や友人に話した人の中には、「アドバイスをもらい、前に進めた」という方もいれば、「理解してくれなかった」とさらに傷ついたという方もいたので、誰に話すのかも重要になってくるようです。
第3位「涙が止まらなかった」エピソード
女性・20代
顔も見たくなくて、目を逸らしていたら、「〇〇さん、話しを聞いているのか」とまた、名指しで言ってきて耐えらなくなって嗚咽するほど泣いてしまって、その上司よりも上の人が私に対して優しく対応してくれたが、その優しさも信じていいのか分からず、退職した。
女性・30代
自分の失敗に対してイライラして情けなくなり涙が出そうになるので、仕事中に何度もトイレへ駆け込みました。上司や周りから心配されてプレッシャーを感じ、退職することにしました。
女性・20代
お客様の前では我慢していましたが、裏に入った途端に涙が出てきてしまい、自分のボジションに戻るまで泣き続けてしまいました。それでも頑張って上に上がれば何も言われないだろうと、役職を頂くほどにまで努力を重ねましたが、彼らが変わることはなく、業務量の多さやストレスで精神を削られてしまい、他のスタッフに心配され、病院を受診したところ鬱病と診断されました。その後休職期間がありましたが、結局治ることはなく退職致しました。
女性・30代
飲み会では何とか涙をこらえることができたものの、帰り道一人で歩いてた時に涙が止まらなくなり、ワンワン泣いてしまった。泣いても泣いても気持ちが晴れることはなく、翌日目が開かないレベルだった。その後の職場での関係も悪化して、萎縮して身が入らなくなり退職した。
女性・20代
考えるたびに怒りと涙が込み上げて止まらず、関係部門や直属上司に直談判した。なだめられて終了し、特に状況は改善していない。
涙が止まらなくなる等の感情のコントロールが難しくなったと感じた場合は休職するなどの方法でストレス原因と距離を置くことが重要です。
第4位「はっきり意見を言った」エピソード
男性・30代
これ以上責任ばかり押し付けられてしまうと、自分のベストの仕事ができなくなり、またうつ病に戻ってしまうと感じた。
「オンライン指導に異動させてほしい、それもできないのであれば、この場で辞めさせてほしい」とお願いした。そこだけは通り、オンライン指導でのんびりと仕事をしている。少しずつ体調が戻ってきたように思う。
女性・30代
「ミスを指摘せずいたら成長しないし、確認して黙って私が直すのであれば彼女はいらないのでは?」と意見したが、「いないよりはマシだし今度もミスしていないか確認はしてほしいが指摘せずお前がこれからも直せばいい」と言われ口論し、しばらく黙って直していましたが量がものすごく多く毎日残業していたら鬱になったため退職しました。
女性・30代
気にしないように自分の仕事を進めていますがあまりの態度のひどさに最近は仕事をふられてもきっぱり断るようにしてストレスをためないようにしています。
はっきりと意志を伝えることは大事ですが、その後理不尽な扱いを受ける場合もあるので、対応をしてくれるかを見極める必要があるようです。
第5位「その場から立ち去った」エピソード
女性・30代
何を言っても揉めるだけなので同じ土俵に上がらないのが一番だと思いました。無視するのが一番の得策でした。
女性・30代
一旦ひとりになり気持ちが落ち着くまで休憩させてもらった。落ち着いた後は普通に働けたが、その同僚とは距離をとるようになった。
女性・20代
これ以上話をしても理解してくれないし余計にイライラするだけなので話を切り上げてさっさと立ち去るようにしていた
自己防衛としてその場から立ち去り、冷静になるのも、自分を傷つけない方法かもしれません。
まとめ
② 最もイライラしたことは「上司や同僚、取引先などからの理不尽な言動や対応」「仕事でのトラブル」「自分自身」「働き方」
③ イライラへの反応は「ひたすら耐える」「誰かに話した」「涙が止まらなかった」の順で多い
このことからほぼ全員が仕事でイライラした経験があり、職場の人間関係、急な作業変更、自責、キャパオーバーの仕事量によってストレスを感じることが分かりました。
特に「ひたすら耐える」「涙が止まらなかった」と回答した人の多くは、体調やメンタルにまで仕事が悪影響を及ぼしていて、退職を選択しています。
仕事でイライラしたことがあった時は、まず信頼できる人に相談してみることをおすすめします。
家族や友人、職場の人に相談することが難しい場合はカウンセリングを受けるのも1つの方法です。
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