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【ガチ調査】就労移行支援を利用した人の就職活動体験談

2024.07.08

「就労移行支援に通っても、就職できなかったらどうしよう」と不安に感じる人も多いと思います。

また実際に今就労移行支援に通っている人も「内定をもらった人はどのくらいの期間を経て、就職をしたのだろう?自分は大丈夫なのだろうか」と心配する人もいるのではないでしょうか。

今回は就労移行支援に通って障害者雇用で就職した方30人に「就職活動について」調査しました。

調査概要

調査内容:「就労移行支援利用での障害者雇用就職活動」に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年6月5日~2024年6月19日
調査人数:30名(男性18名 女性12名)
年代:10代(0名)・20代(10名)・30代(7名)・40代(12名)・50代(1名)・60代以上(0名)

質問事項
1. 年齢を選択してください。
2. 性別を選択してください。
3. 事業所の利用期間を教えてください
4. 何社に応募しましたか?
5. そのうち何社から内定をもらいましたか?
6. 就職活動を開始してから、どれくらいの期間で内定をもらいましたか。
7. どこで求人を探しましたか?
8. 雇用形態を教えてください(内定を承諾したもの)
9. 職種を教えてください(内定を承諾したもの)
10. 就職で1番大事にしていたポイントは何ですか?
11. 就職活動で大変だった部分は何ですか?具体的に教えてください
12. 就職活動でやってよかったことは何ですか?具体的に教えてください

「6ヶ月~1年未満」で事業所を利用した人が1番多い

■事業所の利用期間を教えてください 
・6ヶ月~1年未満 17票(56.7%)
・3ヶ月~6ヶ月未満 5票(16.7%)
・1年~1年半未満 5票(16.7%)
・3ヶ月未満 2票(6.7%)
・1年半~2年未満 1票(3.3%)
・2年以上 0票(0.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入


就労移行支援を利用した期間は「6ヶ月~1年未満」が1番多く、「3ヶ月~6ヶ月未満」「1年~1年半未満」が次に続きます。

また6ヶ月以上利用した人は、全体の7割以上であることが分かりました。

最大14社、応募したケースも。

■何社に応募しましたか?
・2社 6票(20.0%)
・6社 5票(16.7%)
・1社 4票(13.3%)
・3社 3票(10.0%)
・4社 2票(6.7%)
・5社 2票(6.7%)
・7社 2票(6.7%)
・8社 1票(3.3%)
・10社 1票(3.3%)
・11社 1票(3.3%)
・12社 1票(3.3%)
・13社 1票(3.3%)
・14社 1票(3.3%)
※少数点第2位以下は四捨五入


「2社」申し込んでいる人が1番多く、その次に「6社」「1社」と続きます。

30人の会社への応募数を平均すると4.77社となり、4~5社に申し込むのが平均だといえます。

今回の調査では、最大14社申し込んでいる人もいました。

70%が内定した会社数は、1社のみ

■そのうち何社から内定をもらいましたか?
・1社 21票(70.0%)
・2社 9票(30.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入


1社に内定をもらった人は7割おり、3社以上内定をもらった人はいませんでした。

9割は1年未満で内定をもらっている

■就職活動を開始してから、どれくらいの期間で内定をもらいましたか
・3〜6ヶ月未満 11票(36.7%)
・6ヶ月~1年未満 10票(33.3%)
・1~3ヶ月未満 6票(20.0%)
・1ヶ月未満 2票(6.7%)
・1年~1年半未満 1票(3.3%)
※少数点第2位以下は四捨五入


就職活動を開始してから「3~6ヶ月未満」で就職した人は36.7%、「6ヶ月~1年未満(33.3%)」、「1~3ヶ月(20.0%)」と続きます。

1年未満で内定が出たという人は全体の約9割に上ることが明らかになりました。

「ハローワーク」で求人を探した人7割以上

■どこで求人を探しましたか?
・ハローワーク 22票(73.3%)
・求人サイト 11票(36.7%)
・事業所からの紹介 10票(33.3%)
・転職エージェント 8票(26.7%)
・知り合いの紹介 2票(6.7%)
・求人誌 0票(0.0%)
・その他 0票(0.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入、複数回答


ハローワークで求人を探した人は73.3%で、全体の7割以上が利用していたことが分かりました。

そして次に「求人サイト」、「事業所の紹介」の順で求人を探していた人が多かったです。

4割が正社員で就職している

■雇用形態を教えてください(内定を承諾したもの)
・正社員 12票(40.0%)
・パート・アルバイト 10票(33.3%)
・契約社員 6票(20.0%)
・派遣社員 1票(3.3%)
・その他 1票(3.3%)
・嘱託社員 0票(0.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入


「正社員(40.0%)」で就職している人が1番多く、「パート・アルバイト(33.3%)」、「契約社員(20.0%)」と続きます。

職種は「軽作業」「事務」「清掃」が多い

■職種を教えてください(内定を承諾したもの)
・軽作業(工場・倉庫作業など) 9票(30.0%)
・事務・庶務(一般事務・営業事務など) 7票(23.3%)
・清掃(建物清掃など) 4票(13.3%)
・コーポレート職(人事・経理など) 1票(3.3%)
・接客(販売スタッフなど) 1票(3.3%)
・IT(webデザイナー、プログラマ、システム運営など) 1票(3.3%)
・その他 7票(23.3%)
・営業 0票(0.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入


「軽作業(30.0%)」が1番多く、「事務・庶務(23.3%)」、「清掃(13.3%)」と続きます。

「軽作業」「事務・職務」「清掃」が全体の6割以上を占めていることから、障害者雇用で就職する場合の職種の幅は狭いということが分かります。

就職で大事にしていたポイント第1位「業務内容」

■就職で1番大事にしていたポイントは何ですか? 
・業務内容 9票(30.0%)
・職場環境 8票(26.7%)
・勤務地 6票(20.0%)
・給与 3票(10.0%)
・雇用形態 3票(10.0%)
・業界・職種 1票(3.3%)
・その他 0票(0.0%)
※少数点第2位以下は四捨五入


就職で1番大事にしていたポイント第1位は「業務内容」、2位「職場環境」、3位「勤務地」と続きます。

上位3つは、どれも長く働き続けるための重要なポイントになります。

特に障害者雇用の場合は、「自分が無理せず長く続けられる環境」が大切で、障害者雇用で就職できてる人は、そのポイントをしっかり抑えられていたようです。

就活体験談【5つのケース紹介】

障害者雇用で就職活動をした方の体験談を5つ紹介します。

実際に就職活動をして、よかったこと・大変だったことについて聞きました。

では5ケースを見ていきましょう!

正社員として内定をもらったSさん(20代・軽作業)


質問者

雇用形態と職種を教えてください。


男性・20代

雇用形態は正社員で、職種は軽作業です。


質問者

どこで求人を探していましたか?


男性・20代

求人サイト、ハローワーク、転職エージェントの3つを使って、求人を探しました。


質問者

就職活動で大変だったことは何ですか?


男性・20代

書類選考が通らずに大変でした。転職エージェントに指示されたことをしっかりと記載しても通らず、心が折れそうになりました。


質問者

就職活動でやってよかったことは何ですか?


男性・20代

自分の得意なことや苦手なこと、その後の展望などを端的に伝えられるように練習しておいたことは良かったです。

Dさんは就労移行支援を6ヶ月~1年未満利用し、就職開始から3~6ヶ月未満で内定を獲得しました。

応募した会社数は12社と、今回の調査対象の中では2番目に多いです。

就職活動で1番大変だったことは、エージェントの指示を守ったのにも関わらず、書類選考が通らないことでした。

書類選考が通らないことは、障害者雇用あるあるです。

募集人数枠が1人や2人などと少ないため、能力が条件に達していても、落とされてしまうことがあります。

就職活動でやってよかったことは、自分の得意や苦手を簡潔に伝えられるように練習しておいたことでした。

障害者雇用では、1人ひとりの得意や苦手なことにフォーカスを当てることが多く、必ずと言っていいほど得意と苦手なことは面接時に聞かれます。

面接時間は限られているので、長く話すのではなく、30秒~1分程度で説明できるようにしておくといいでしょう!

時間配分が分からないという人は30秒バージョン、1分バージョンで伝えることをまとめて、暗記するのもオススメです。

6ヶ月以上就活して事務で就職できたIさん


質問者

雇用形態と職種を教えてください。


女性・20代

雇用形態はパート・アルバイトで、職種は事務です。


質問者

どこで求人を探していましたか?


女性・20代

ハローワークのみで求人を探していました。


質問者

就職活動で大変だったことは何ですか?


女性・20代

話すことが得意ではないので、面接やその練習が苦手でした。担当の職員と何度も練習をして、なんとかそれらしくなるようになるまでがとても大変でした


質問者

就職活動でやってよかったことは何ですか?


女性・20代

アクセスが大変でもハローワークが主催の求人イベントをやるときはなるべく参加して、求人に応募したことです。

Iさんは就労移行支援を1年~1年半未満利用し、就職開始から6ヶ月~1年未満で内定を獲得しました。

応募した会社数は2社と、比較的少ない方です。

就職活動で1番大変だったことは、面接が苦手で、形にするまでが苦労したそうです。

面接に苦手意識を持っている方は多いですよね。

障害者雇用の面接では、ある程度聞かれることは決まっていて、障害について(苦手や配慮してほしいこと)はどの会社でも絶対に聞かれることです。

Iさんのように担当の職員さんと何度も練習することで、どんな雰囲気なのかを把握でき、自分なりの答え方が作られてきます。

緊張してしまって、頭が真っ白になってしまうという方は、キーワードを覚えて連想していく覚え方よりも全て暗記するのも1つの方法です。

就職活動でやってよかったことは、ハローワーク主催の求人イベントに参加したことでした。

求人イベントの最大のメリットは、その場で面接をしてもらえる可能性があるという点です。

本来の流れでは、書類選考→面接(1~3回程度)→内定ですが、求人イベントでは書類選考はスキップし、面接を受けられるので、直接面接官に自分をアピールすることができます。

しかし全ての求人イベントが書類選考なしで面接という流れになるわけではありません。

時間制で人数制限がある等、会社によって対応は異なるので、求人イベントの詳細をしっかりとチェックしましょう!

在宅メインの仕事に就職したOさん


質問者

雇用形態と職種を教えてください。


男性・20代

雇用形態は正社員で、職種はコーポレート職で経理などをしています。


質問者

どこで求人を探していましたか?


男性・20代

事業所にある求人から仕事を探していました。


質問者

就職活動で大変だったことは何ですか?


男性・20代

私はエンジニアで就職経験があり、社会不安障害になり、退職し、就労移行支援に通うようになりました。スキルには自信があるけれど、人と話すことに不安が強かったので、面接が大変でした。


質問者

就職活動でやってよかったことは何ですか?


男性・20代

就職活動で成功体験を積むことで、不安障害が少しずつ収まっています。また、今の職場ではマーケティングや経理の仕事をオンラインメインで仕事をしていて、将来は税理士を目指したいと思えるようになりました。このような選択があったことに感謝しています。

Oさんは就労移行支援を6ヶ月~1年未満利用し、就職開始から1ヶ月~3ヶ月未満で内定を獲得しました。

応募した会社数は3社、内定した会社数は2社とかなり珍しいケースです。

Oさんの場合は、エンジニアでの就職経験があったため、内定まで結びつくまでが早かったのかもしれません。

就職活動で1番大変だったことは、人とのコミュニケーションに苦手意識があるため、面接で苦労したそうです。

先ほど紹介したIさんと同様、面接に苦手意識を持っているようでした。

Oさんの場合は、就職活動を通して、その苦手が少し克服されています。

就職活動でやってよかったことは、就職活動で成功体験を積み、不安障害が収まってきたということだそうです。

不採用の知らせが届くと、自分の存在を否定されているようで、気分が落ち込んでしまいますが、「書類選考通過」「面接通過」等、1つずつ成功体験を積んでいくと、自分が認められると実感でき、自信が湧いてきます。

そこに辿りつくまでが辛いと感じてしまいますが、書類を書いたり、面接に向けて自分と向き合うことで、確実に成長していることに気づけると、否定的な気持ちが和らぐかもしれません。

電話対応なしの事務へ就職したHさん


質問者

雇用形態と職種を教えてください。


女性・30代

雇用形態は契約社員で、職種は事務・庶務です。


質問者

どこで求人を探していましたか?


女性・30代

ハローワークで求人を探しました。


質問者

就職活動で大変だったことは何ですか?


女性・30代

パソコンを使った仕事がしたかったのですが、そうなると事務系が多く、事務系だと電話対応があり、けど電話対応は苦手で避けたかったので電話対応なしの事務系を探すのが大変でした。


質問者

就職活動でやってよかったことは何ですか?


女性・30代

事業所に通いながらパソコンの勉強をし、ExcelやWordの資格を取ったこと。資格を取ることで自信にも繋がりました。

Hさんは就労移行支援を1年半~2年未満利用し、就職活動を開始してから1ヶ月~3ヶ月未満で内定を獲得しました。

就労移行支援を1年半~2年未満利用したということは、2年間と決められている利用期間をほぼ使い、就活に望まれたようです。

応募した会社数は2社、内定した会社数は1社でした。

平均4~5社申し込んでいるので、少ないほうです。

就職活動で1番大変だったことは、希望の業務内容や配慮がある仕事を見つけることでした。

現時点の障害者雇用の職種は偏りがあり、希望する業務の仕事の求人がないということも珍しくはありません。

厚生労働省の令和5年度障害者雇用実態調査によると、雇用者数の割合は「事務的職業(29.2%)」が最も多く、「専門的、技術的職業(15.6%)」、「サービスの職業(14.2%)」が続いています。

Hさんの場合は、事務系の求人を探していたようなので、求人の数は他の職に比べれば多い方でしょう。

ですがHさんの希望は「電話対応なしの事務系」なので、かなり求人の数は狭まったはずです。

Hさんは自分の中で「業務内容」が1番大切であることが明確だったため、就職活動が上手くいったのかもしれません。

就職活動でやってよかったことは、事業所に通いながら、資格取得をしたいことです。

資格取得は、目標を達成できたという自信に繋がりますし、会社側にも「このレベルの作業はできます」というアピールにもなります。

特にMOS(Word・Excel・PowerPoint)は、パソコンを使う業務であれば、必ず使用するソフトの資格なので取っておいて損はありません。

希望の職種に就職できたWさん


質問者

雇用形態と職種を教えてください。


男性・30代

雇用形態は派遣社員で、職種は清掃です。


質問者

どこで求人を探していましたか?


男性・30代

求人サイト、ハローワーク、転職エージェント、事業所の紹介、知り合いの紹介で、色んなところから求人を探していました。


質問者

就職活動で大変だったことは何ですか?


男性・30代

障害があるせいで上手く喋れない為面接でも本当に苦労しました。なので、ホテルの清掃員という裏方を元々希望だったのですが、中々応募がなくて大変でした。


質問者

就職活動でやってよかったことは何ですか?


男性・30代

人との触れ合いの中で、以前より喋れるようになった事は相当大きいと今でも思います。内定を貰った時は 認められたっていう感じで嬉しかったです。

Wさんは就労移行支援を6ヶ月~1年未満利用し、就職活動を開始してから3ヶ月~6ヶ月未満で内定を獲得しました。

応募した会社数は7社、内定した会社数は1社で、応募した会社の数は平均よりやや多かったです。

Wさんは、求人サイト・ハローワーク・転職エージェント・事業所の紹介・知人の紹介から求人を探されていたことから、様々な機関を活用し、就活をされていたことが分かります。

就職活動で1番大変だったことは、面接と希望求人数の少なさを挙げています。

障害者雇用では職種の幅が狭く、なかなか希望の求人がないこともあります。

Wさんの場合は、様々な機関を活用していたことで、希望の働き方に出会えたのかもしれません。

就職活動でやってよかったことは、人と触れ合う機会が増え、コミュニケーションへの苦手意識が減ったことだそうです。

Wさんの場合は、「内定」という成功体験を積んだことで自信がついたのではないでしょうか。

人とのコミュニケーションや面接に苦手意識を持っている方は多いと思います。

障害者雇用の面接は、能力よりも人柄を見て、その人に合った配慮ができるかで採用するかを決めます。

なので会社が自分の上に立って、評価しているというのではなく、対等の立場であり、お互いを知っていくためのものだと考えると、気楽に面接を受けることができるかもしれません。

その他のコメント

5人のケースをピックアップをしましたが、その他の方のコメントも紹介。

どんな意見があったのか、見てみましょう!

就職活動で大変だったことは何ですか?

・私の障害が「てんかん」なので、疲労やストレス、パソコン業務の疲れをコントロール出来る職場を探していて細かな業務内容を把握しにくいのが大変だった。
・発達障害を理由に不採用続きになりました。臨機応変に行動出来ない方は無理と断られたのが苦難の連続でした。
・やはり、1番のネックだった事は意思疎通でした。自分は聞いて理解は十分できましたが、話す事が脳幹出血の影響で気管切開してますので、得意ではありませんが、簡単な言葉は話せますが質問の時、タブレットなどを用いら行ってました。それが大変でした。
・自分自身としては何より面接で自分の思いを面接官に対して理解をしてもらうことがなかなか大変であり、それを自分の言葉で説明をするのが大変だことです。
・勤務時間の希望を伝えるだけでどうしても断られる事が多かったので、一般就労として仕事をするには先ずその点が合わなくて苦労しました。
・自覚をしていた出社可能な日にちをなかなかハッキリさせる事が出来なかったので、中途半端な事を言えなくて精神的にも影響があったのは苦労しました。
・自分自身としては思うような求人先から内定をもらうことができず、精神的な負担を感じたり、プレッシャーを感じてしまい、落ち込んでしまったことがあったことです。
・地方だったので、尚更障害者雇用をされた事のある企業が少なく、自分だけでなく企業側の方も手探りのような状態だったので、余計に話がスムーズに進まなくて困りました。
・精神障害者福祉手帳がありますので、そのハンデを抱えながら就活をするという事にある種の抵抗感がありました。
・一般の求人も含めた、たくさんの職種や業種から、志望企業を選び出さなければならないこと。これが結構煩わしい。
・自分自身としては就職活動に必要なスーツなどの準備や身だしなみにお金がかかり、周りからのプレッシャーがかかることで負担を感じることです。
・聴力障害者です。全く聞こえず自分には就職することやまず面接で落とされることばかりでした。相手にされず辛かったです。
・思うように自分の気持ちを話せず、面接官に「つまりどういうことですか?」と繰り返し聞かれてしまったことです。
・喋りが上手くないことから自分をうまく表現できず、事業所に通っていたことがネガティブに捉えられてしまったことです。
・なかなか就職先が決まらず、何度も心が折れそうになったのでメンタルを前向きに保つことが一番大変でした。
・緊張しやすい性格に加えて口下手なので、面接で思うようなことが言えずに面接官の理解をこまらせてしまいました。
・就職活動で大変だった部分は、面接の緊張と自己PRの難しさでした。しかし、社会人経験を活かし自信を持つことが重要だと気づきました。
・やはり障害を持っているので、それに関しての配慮してほしいことを説明するのが大変でした。障害者雇用とはいえ、偏見の目で見られないか怖かった記憶があります。
・書類選考です。指導を受けたように作成してもなぜか毎回書類選考が通過できないときが続いて、心が折れそうになりました。
・パソコンが苦手だったので、中々パソコンスキルが無い状態ですとスキル的に難しく面接までもたどり着けない事が多かったです。
・面接で緊張しすぎてしまい、思うように自分の気持ちや思いを伝えられなくて困りました。面接官が「ん?」という表現を何度もしていました。
・外部の人と交わることになるので、緊張を解くのに苦労しました。また、履歴書の準備や、会社の下調べが大変でした。
・就労移行支援所に通いだして3か月目から、就活をするように言われ、選んだ求人に手当たり次第に見学の申し込みしていたら、あるときから「見学する前に本当に行きたい求人なのかを確認しましょう」などと言われ、それを実行している間に結局応募したい求人の掲載が締め切られたことが何件かあった。そうこうするうちに通い始めて2年が経過する頃になり、仕方なく色々な条件を妥協して、自宅からは程遠い(車で通勤時間が片道1時間かかる)所に就職が決まったが、早起きや上司と相性が合わず、結局4か月程で退職した。
・企業の採用プロセスがバリアを持つこともありましたが、自己アピールのための情報提供や、適切なサポートを得ることで克服しました。

就職活動でやってよかったことは何ですか?

・ダメもとで面接をしたことで採用に繋がったし、実際の業務で今までの自分のキャリアにはなかった経験を積めた。
・発達障害ならではの強みが活かせるのではないかと考えるようになりました。そこから臨機応変に動けるようになりました。
・積極的に声を掛けて下さって、なんか仕事をしてるなぁって感覚が心地よいでした。あとは、やはり仕事をしたぶん給料がありましたので、それが当たり前ですが嬉しかったです
・自分自身としては安定した収入を得ることや社会的な信用を獲得すること、そして自己成長の機会を得ることできることです。
・自身の市場価値を事前に把握しておいたので、その市場価値に合った就職先を厳選する事が出来たのは、とても良かったと思いました。
・就職活動に関して自主的に行動をしたことで、支援員の方からのサポートも尚更手厚くなったので、積極性のある行動をしていたのは大変良かったと思います。
・自身が実際にどのような事なら出来るかなど、そういった事を事前に把握して就職活動を行ったので、その点はとても良かったと思います。
・自分自身の病気を素直に認めて、正直に自分に合った仕事を探せたので、その点は良かったと思っております。
・障害者枠だけじゃなくて、一般の求人(障害オープン)からも探すこと。これによって、障害者枠にやりたい仕事がなくても、可能性が広がるかもしれない。
・障害者雇用専用の事業所に相談に行くことです。自分に合った会社を紹介してくれたので1ヶ月程で仕事が見つかりました。
・履歴書や職務経歴書を見やすくまとめたことで、書類選考に関しては印象に残せたように感じました。やっておいて良かったです。
・自分がどんなことならできそうなのか、これからやってみたいことは何なのかを箇条書きにして準備したことです。
・自分の強みや得意なことをしっかりと自分の言葉で伝えられるように繰り返し練習しておいたことは本当に役立ちました。
・自分の得意なことややりたいことを紙にまとめ、職務経歴書に見やすく記述ができたことはやっといて良かったです。
・やってよかったことは、志望企業の研究と志望動機の具体化です。準備を重ねて結果を受け入れる姿勢も必要です。
・配慮してほしいことなどを、あらかじめ紙にまとめておくのがやってよかったと思いました。面接の時に大変役に立ちました。
・自分の得意なことや「こんな人です」ということを端的にシンプルに伝えられるように繰り返し練習をしたことです。
・前職で介護をやっていたため、感覚過敏にも対応してくださる会社を見つけられたことです。障害への理解もあり、サポートして頂けている点が良かったと思います。
・面接まで行ったけど不合格だった会社からも、今後も就職活動を頑張って欲しいとエールを頂いたりする事も多く勇気づけられました。
・清潔感のある身だしなみを徹底したことで印象は良かったと思います。外見にお金をかけておいて良かったです
・自分の障害特性を十分に理解して、会社側に伝えました。長く働ける環境にしてもらうためにも、伝えて良かったと思っています。
・条件を妥協せずに手当たり次第に応募することは続けたほうがよかった。就活自体は続けるべきだったし、そうして良かったと思う。
・適切なサポートやアドバイスを受けることで、自信を持ちながら積極的に行動することが成功のカギでした。 

まとめ

「就労移行支援を利用し、障害者雇用で就職した人」を30名に調査したところ

① 半数以上が就労移行支援の利用期間は「6ヶ月~1年未満」
② 平均4.47社、応募している
③ 90%以上が「1年未満」で内定をもらっている


このことから、少なくとも6ヶ月以上は就労移行支援を使い、体調が安定したのち、就職活動を始め、4~5社へ応募している人が多く、1年以内に内定を獲得できているということが分かりました。

就労移行支援に通うか迷っている人は、就労移行支援を利用して、内定をもらうまでに1年半ほどかかることを想定し、興味のある事業所に具体的にどのように動けば1年半以内に就職ができるかを聞いてみるといいでしょう。

その際に半年の場合、1年の場合も聞いて、自分に合うペースを見極めることもオススメです。

また現在就労移行支援を利用している人は、自分の現在の利用期間と照らし合わせ、今から就職活動に向けて動くべきなのか、もう少し体調を安定させたいのか、優先順位を考え、自信がなければ支援員に相談してみるといいかもしれません。

そして5人の就職活動をした方のインタビューを元に、訓練中に意識することやどんなことに取り組むと、就職活動をする時に負担が減るのかを考えてみるのもいいですね。
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