うつ病経験者239人に聞いた!うつ病になってから難しくなったと感じることは?
「趣味が楽しくない・・・」
「人と話すことが苦手になった」
など、うつ病になってから「昔の自分ではなくなった、変わってしまった」と感じた方は多いのではないでしょうか?
今回はうつ病・うつ病経験がある方239名を対象に、うつ病になってから難しくなったと感じることについて調査しました。
アンケート概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年09月14日~2023年09月27日
対象者 :うつ病・うつ病経験のある方
調査人数:239名(男性97名 女性142名)
年代:10代(3名)・20代(44名)・30代(97名)・40代(66名)・50代(24名)・60代以上(5名)
1. 年齢を選択してください
2. 性別を選択してください
3. うつ病になってからやることが難しくなったと感じることはありますか?
4. 最も難しくなったと感じることはなんですか?
5. 具体的なエピソードを教えてください
96%がやることが難しくなったと感じた経験あり
・はい 231票(96.7%)
・いいえ 8票(3.3%)
うつ病になってからやることが難しくなったと感じることがある方は96.7%で、うつ病を経験した方ほとんどがやることが難しくなったと感じたことがあるようです。
ではどんなことに一番難しく感じるようになったのかを見ていきましょう。
最も難しく感じたこと第1位は「規則正しい睡眠」
1位:規則正しい睡眠 50票(20.9%)
2位:コミュニケーションをとる 45票(18.8%)
3位:外出をする 27票(11.3%)
4位:趣味を楽しむ 22票(9.2%)
5位:身の回りの整容 16票(6.7%)
6位:ミスなく仕事をこなす 14票(5.9%)
7位:感情を表現する 14票(5.9%)
8位:複雑なことを考える 12票(5.0%)
9位:食事をとる 12票(5.0%)
10位:遅刻や早退をしない 8票(3.3%)
11位:該当なし 8票(3.3%)
その他 11票(4.6%)
※小数点第2位以下は四捨五入
1位は「規則正しい睡眠」でした。
夜の寝つきが悪くなり、朝起きられなくなってしまった方や質の良い睡眠をとれなくなった方が多かったです。
そして2位「コミュニケーションをとる」、3位「外出をする」、4位「趣味を楽しむ」、5位「身の回りの整容」と続きます。
具体的なエピソードを見ていきましょう。
難しく感じたこと:1位「規則正しい睡眠」
男性・30代
毎晩のように悪夢を見るようになり、まともに眠ることができなくなった。
目覚めた後の疲労感が強く、頭痛もするため、長時間ベッドから起き上がれなくなってしまった。
また、寝つきも悪くなってしまい、ほとんど一睡もできずに夜明けを迎えた日もあった。
女性・20代
ベッドに入ると、将来のことや明日の予定が上手くいくかなど、大小様々な不安が襲ってくるようになりました。
不安で体が硬直して、上手くリラックスできなくなり、寝付けなくなってしまいます。
さらに、寝付けないこと自体もストレスに感じ、より寝付けなくなるという悪循環に陥ってしまうことも多々あります。
女性・30代
一日中、体がだるいのに夜うまく寝付けなくなりました。
寝れても夜中や朝早くに目が覚めてしまい、また寝付くことが難しく、日中まただるく何もできないの繰り返しになりました。
女性・30代
たとえ、午前0時前に床についたとしてもその次の日の午前中は耐え難い眠気が襲いまったく仕事になりません。私は完全在宅勤務なので、(連絡あった場合にすぐ応答できるよう)スマホを握りしめながら昼すぎまで寝てしまうことが多いです…
だいたい、15時くらいになると眠気がおさまり作業をすることができます。寝ていた分の作業は定時以降に挽回しています…。
睡眠薬が翌日まで残ってるのかな?と、減薬してもらいましたが効果はほとんど見られませんでした。
とにかく過眠がひどいのが悩みです。
また不眠を解消するために睡眠薬を飲むと、日中に眠気が出てしまう方や過眠になってしまうと悩んでいる方も。
夜の静かな状況がフラッシュバッグや不安を感じやすくなる環境を作り、さらに眠れなくなる負のループを生み出しているのかもしれません。
難しく感じたこと:2位「コミュニケーションをとる」
男性・30代
人と関わる事が苦痛になり連絡が来ても返さなくなりましたし、知り合いとの距離感も開いて尚更孤独感が強くなりました。
女性・30代
短い会話をする分には問題ないのですが、長時間にわたる雑談や飲み会など、人と長い間会話をしているとだんだんとぼんやりしてきてしまいます。
返事を返したつもりでも、声にでていなかったりすることもありました。
女性・30代
人の名前がなかなか覚えられなくなりました。
電話口で名前を言われても次の瞬間すぐ忘れてしまうので、メモに書いておかないと何かとトラブルになり苦労しています。
女性・20代
うつ病になる前は簡単に返せていたLINEの返信が、全く返せなくなってしまった。
文字を読めない、読むのが大変で、読んでも返す気力が湧かなくて、返せなかった。
女性・20代
頭の中でうまく物事を考えられないなので、とっさに返事をしないといけないことにうまく返事ができず、相手を困らせたりしてしまった
また人との雑談が苦手になり、頭が回らず、返し方が分からなくなってしまったというコメントもありました。
周囲との連絡を絶ったり、職場で必要最低限の会話しかしないようしてしまい、孤独感を感じたという方もいました。
心では「迷惑をかけるのではないか」「申し訳ない」と思っているけれど、身体が追いつかず、悩んでいるのではないでしょうか。
難しく感じたこと:3位「外出をする」
女性・30代
うつ病を発症するまでは外出することでストレス発散できていたのに、外出するのもおっくうで、引きこもり状態になってしまいました。
外出する気持ちになれず、外に出ることが怖くなってしまいました。
男性・30代
誰かに見られているのではないかと思い、外出時は辺りをキョロキョロ見てしまう。
妻はそんな格好をしたら不審がられるわよと言う。
誰かに見られているのではないかと思ってしまう私は、私であることがバレないよう、外出時はサングラス・マスク、帽子で顔を隠すと、警備員に挙動不審で呼び止められる。
女性・20代
外出だけでなくいろいろ難しくなりましたが、外出する気がまず起こらないのと、外出するための支度ができませんでした。
外出するとしたら、身だしなみや着替えやメイクなど、いろいろ必要ですが、それらの全てが億劫になってしまいました。
女性・20代
仕事に行こうと思っても前に進めなくてずっと玄関で座りっぱなしで立ち上がれなくなった
人と対面をした時に笑われているのではないかと感じ、外が怖くなったという方もいました。
外出する気を起こすのにもパワーを使い、身だしなみを整えなければならない、外では緊張し、帰ったあとは疲れが残る・・・
うつ病の人にとって外出はハードル高く、家にいる方が心地が良いと感じるのかもしれません。
難しく感じたこと:4位「趣味を楽しむ」
女性・30代
前まで好きだったスポーツをしたりドラマを観たりしても何も楽しく感じない。なんで夢中になったり楽しく感じていたのかさえ分からなくなるぐらい何にも興味関心が向かない。
男性・30代
現在、日常生活や仕事には影響はないが、「何か新しいことに挑戦する」「チャレンジする」ことが面倒くさくなっている。
趣味もすすんでやっていない。
具体的には、前向きに、新しい分野の仕事や今まで訪問したことがない場所への旅行など全く行かなくなった。
しんどいことが優先的に考えてします。
女性・20代
映画鑑賞や漫画を読むのが好きだったが、集中力がなくなって、作品が全く頭に入ってこなくなってしまった。
じっと座っている事も出来なくなってしまった。
女性・30代
うつ病と診断される前までは、絵を描くことを趣味として楽しんでいましたが、発症してからは絵を描くことに対してまったく興味が湧かなくなり、絵が描けなくなりました。
その時は、あんなに大好きだった絵を描けなくなったことがとても悲しかったのを今でもよく覚えています。
また新しいことに挑戦する気持ちや何かにのめり込む感情が生まれにくくなってしまったという方も。
今まで大好きだったことに取り組む気持ちが消えていき、さらに気分転換ができなくなり、余計にモヤモヤした気持ちを感じてしまうのではないかと思いました。
難しく感じたこと:5位「身の回りの整容」
女性・30代
一つ一つの行動が億劫になり、上手くいかない。洗濯物をしまおう、明日はちゃんとしようと思っても同じ日々になってしまう。
男性・30代
元々身だしなみには気を付けていましたが鏡に映る自分の姿を見るのが嫌になり、身だしなみに無関心になってしまいました。家族に指摘されるまで、何も手につかない状態でした。
女性・20代
うつ状態になるとお風呂に入れません。汚い自分が嫌だと感じることはあるのですが、整えるほどの気力がわかないです。
女性・20代
色々な事が気になっていて頭の中は忙しいけど、体はぐったりとしていたので、周囲の事をやろうとしても集中できず考えているだけで1日が終わってしまう。また何から手を付けて、どうしたらいいのかの思考力がなくなってしまいます。
またうつで行動をすること自体がおっくうになるため、自分の世話もおろそかになり、特に「お風呂に入ることが辛くなった」と感じた方がたくさんいました。
まとめ
① 96%がやることが難しくなったと感じたことがある
② 「規則正しい睡眠」「コミュニケーションをとる」「外出をする」が以前に比べ、難しくなったと感じる方が多い
ということが分かりました。
気持ちとしては「やらなければならない」「周りに迷惑をかける」と思っていても、身体が追いつかず、行動ができなくて、さらに自分を責めてしまう方も多くいました。
うつはすぐに治るものではなく、少しずつ症状が改善し、そのスピードは人によって様々です。
できないことに焦ったり、自分を責めるのではなく、ゆっくり自分のペースを見つけていくことも大切です。
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