発達障害者104名に調査!「転職活動でやっておけば良かったこと」を聞きました。
「会社に馴染めず、何度も転職したことがある」
「転職したことで障害に理解がある職場に出会うことができた」
などと会社に馴染めないことで体調を崩し、発達障害だとわかった・・・という方や発達障害だと分かったから、無理ない範囲で働ける環境に移るという選択した方も多いのではないでしょうか。
今回は発達障害(ADHD・ASD・LD)で転職経験がある方を対象に、転職活動でやっておけばよかったことについて調査しました。
アンケート概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年1月31日~2024年2月14日
調査人数:104名(男性61名 女性43名)
年代:20代(29名)・30代(39名)・40代(31名)・50代(3名)・60代(2名)
1. 年齢を選択してください
2. 性別を選択してください
3. 転職活動でやっておけば良かったことはありましたか?
4. 転職活動で1番やっておけば良かったことは何ですか?
5. 具体的なエピソードを教えてください。
93.3%が転職活動中の後悔がある!
・はい 97票(93.3%)
・いいえ 7票(6.7%)
90%以上の人が「転職活動でやっておけばよかったことがあった」と回答。
後悔を感じている人が非常に多いことが明らかになりました。
ではどんなことに後悔を感じているのかを見てみましょう。
やっておけば良かったこと第1位「障害理解」
1位:障害理解(説明の仕方、求める配慮など) 20票(19.2%)
2位:自己分析(自分の得意や不得意を知るなど) 19票(18.3%)
3位:体調管理(メンタルや体調の安定など) 16票(15.4%)
4位:情報収集(仕事内容や給与をもっと調べておけばよかったなど) 9票(8.7%)
5位:他人の力を借りる(エージェントや友人等へ相談など) 8票(7.7%)
6位:スキル習得(資格など) 6票(5.8%)
7位:選考対策(書類・面接・試験など) 5票(4.8%)
8位:貯金(生活費・交通費など) 5票(4.8%)
9位:条件交渉(給与などの待遇交渉など) 4票(3.8%)
10位:応募の幅を広げる(様々な業界や企業を見ておけばよかったなど) 3票(2.9%)
特になし 5票(4.8%)、その他 4票(3.8%)
※小数点第2位以下は四捨五入
転職活動でやっておけば良かったこと第1位は「障害理解(説明の仕方、求める配慮など)」でした。
そして2位「自己分析(自分の得意や不得意を知るなど)」、3位「体調管理(メンタルや体調の安定など)」と続きます。
では具体的なエピソードを見ていきましょう。
第1位「障害理解」
女性・30代
面接で誰でもできる簡単な業務ですと説明があり、それをそのまま信じて、いざ入社するとスピードを求められ、すぐ理解できないので辛くなり、短期離職となってしまいました。
具体的な業務について詳しく聞いて、配慮や支援、自分でもできるか、困りごとや不安を自分から話せばよかったと後悔しています。
男性・20代
今までは転職活動で、言わなくてもいいことまでいって落ちたという経験が多かったです。
そこから、言葉選びだったりも考えいかにネガティブに伝えないようにするかを気を付けたところ面接での印象も良くなっていきました。
女性・30代
発達障害であることを話さずに転職したのですが、ミスが多くて結局その会社にいることができなくなり辞めた経験があります。
面接時に発達障害であることやこちらが求める配慮などを伝えておけば、周りに理解してもらえて前向きに働くことができたのかなと後悔しました。
男性・30代
人よる記憶力がないことや上手く人と話す事ができなかったことで、報連相ができずに、自分で動いて失敗することが仕事でよくありました。
職場で自分は自閉症スペクトラムであることをしっかり話し、何が不得意でうまくできないことを伝えておく事で、理解を少しはもらえると感じる
障害や特性を隠して働き、無理をした結果、体調を崩し、短期離職をしてしまったという方も・・・。
事前に自分の特性や苦手な部分を伝え、職場は配慮や理解できるのかを確認することで、自分が働きやすい環境を見つけることできるのではないでしょうか。
第2位「自己分析」
女性・20代
自分の特性を全て把握しているわけではないので、転職前に行った失敗が転職後にもあり、改善・理解をすべきだったと思いました。
女性・30代
ADHDは周りにあまり溶け込めないのでメンタルが悪くなることが多く、結局それがもとになり体調を崩して辞めてしまったりが過去何度もありました。
現在は自分の人付き合いができないことを受け止めて 自分の得意分野だったり、あまり人と関わらない仕事をするなど仕事を選ぶうえで工夫している最中です。
男性・30代
ADHDの診断を受ける前ですが、20代の頃に大手企業の事務スタッフに契約者員として採用されたのですが、自分の苦手な作業はどう頑張ってもできるようになりませんでした。
その後ADHDであることがわかりましたが、まわりにも迷惑をかけてしまったので、自分に向いている仕事はどんなものか、先に分析してから決めれば良かったと思いました。
男性・20代
とにかく正社員で働ければいいというこだわりのせいであまり自分の不注意や不得手な部分を考えて仕事を選んでしまった。
また、「発達障害と診断される前に転職をしたため、得意や不得意が分からず、周りに迷惑をかけてしまった」という方も。
その中で「今は自分を受け止めて、得意分野を見つけ、苦手を避ける」と対策を立てている方がいました。
第3位「体調管理」
女性・30代
しっかりとメンタルが回復しないまま勤めることにしたため月に何度か欠勤があったこともあり、体調管理を専門家に相談するべきだったと思いました。
女性・30代
日によっては特に多動になりやすかったり気持ちが落ち着かなくなる時があり職場で動き回ってしまうことがありました。
それなのでそういう場合の対処法を確立しておけばよかったです。
女性・20代
面接の前日と当日は緊張のしすぎで体調を崩してしまうことがよくあったので、事前にその対策(リラックスする方法を学ぶ・常備薬を買っておくなど)をしておくべきだった。
男性・20代
ASDで集中しすぎで疲れやすかった。タイマーを使って休憩を入れると大丈夫か検証しておきたかった。
会社に時々の休憩を認めてもらえるよう話せばよかった。
また「面接前に緊張をしすぎてしまい、結局キャンセルしてしまった」という方もおり、頓服薬を持っておくなど、即時に対応できる対策が重要なようです。
まとめ
支援員
「障害理解」「自己分析」「体調管理」は一般雇用だけではなく障害者雇用の就活でも1番大切な部分です!
支援員
特に障害者雇用では、自分の障害や症状の説明が十分にできるかを面接時に見られることが多いですよね。
① 9割以上が転職活動中の後悔がある
② 「障害理解」「自己分析」「体調管理」の順に転職活動中やっておけばよかったと思う人が多かった
このことから、一般雇用・障害者雇用関係なく、「自分の得意・不得意知る」「苦手を相手に伝えられるようにする」「体調不良やストレスへの対策を準備しておく」ことで試行錯誤しながら働きやすい環境に出会えるのではないでしょうか。
自分の今の気持ちに耳を傾けてみたり、褒められたことや苦手ではないことを書き出したり、どんな息抜きが自分に最適なのかを探してみるのもおすすめです。
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